今回は写真の話だ。皆さんはどのように写真を保存・管理しているだろうか。

 米Appleの「iOS 8」「OS X Yosemite」に関して言えば、写真の管理の主軸がクラウドへと移行しようとしている。具体的には、「iCloud Photo Library」と呼ばれる機能のベータ版がiOS 8に搭載され、iPhoneで撮影した写真データを、無線LAN(Wi-Fi)接続時にクラウドストレージの「iCloud」に保存できるようになった。

 OS X Yosemiteでも、開発者向けに公開された10.10.3から、これまでの「iPhoto」が新しい「Photos(写真)」に置き換えられ、iCloud主体の写真管理が可能になる(関連記事:Apple、iPhotoに代わる画像ソフト「Photos for OS X」を今春リリースへ)。これらの新しい写真管理は、何を解決するのだろうか。

「iPhoneに勝ちたければ、カメラを強化せよ」

 「iPhoneに勝ちたければ、カメラを強化せよ」

 このフレーズは、米国の技術関連メディア「The Verge」の記事に出てくる。Androidスマートフォンを携えて展示会「CES 2015」を取材したVergeの記者の体験から、特別な設定をしなくてもスピーディーに“最高の写真”が撮影できるiPhoneについて指摘したものだ。

 Appleは好調な「iPhone 6」の販売によって2014年10~12月期に過去最高の決算を記録した(関連記事:Appleの10~12月期決算は大幅な増収増益、iPhone販売が過去最高)。モバイル産業全体を見渡しても、Apple一色だったと言える。米国の投資情報誌「Barron’s」のアナリストによれば、「スマートフォン製造から得られる利益の93%をAppleが占めた」というのだ。

 端末台数ではAndroidのシェアが全体の85%を超えて推移しており、iPhoneは全く及ばない。だが、利益の大半をAppleが得ている構図は、スマートフォンの競争が始まってから変化していない。iPhoneを買い換え続ける高いロイヤルティーにつながっているブランド力や、端末のラインアップを絞り込む集中化戦略の結果といえる。

 この勝因にカメラを加えるかどうか、筆者はまだ結論を出せていない。スマートフォンの機能の中で最も重要なものの一つがカメラであることは疑いようがない。だが、Appleが圧倒的な利益を生み出した要因として挙げることができるかどうかは分からない。