前回は,藤井に「理由」の重要性を説明し,理由を上手く使えば「お断り話法」にも利用できることを教えました。さて,今回も説明時に非常に大事になる「理由」に関する話です。

 説明は,分かりやすいというだけでは不十分な場合があります。それは,他人を動かすときの「説得力」に関するものです。何かを説明し,相手から「YES」と言ってもらうには「説得力を高める」必要があるのです。今回は説得力ついて話をしましょう。

 今回も,“仕事に役立つ7つの科目”の「(3)説得的会話」に関するノウハウがテーマです。なお,今回のPDFファイルでは「芦屋式『説得力を高める』チェックポイント・シート」を付録として用意しましたので,説得力に自信がない方,部下に教えたい方はご活用下さい。

説得力を高めるためには「理由」が重要になる

芦屋:さて,坂本,藤井,一通り説明に関する話をしたのだけど,そろそろ上層部への報告をしようか。今月は僕じゃなく,坂本と藤井で資料作って説明してほしい。ポイントは,「分かりやすさ」と「説得力」だよ。ただ分かりやすいだけでは駄目だ。君たちのやっていることの妥当性・・・つまり,君たちの仕事がいかに理に適っているかを説明し,納得してもらわなければならない。

坂本:了解。

芦屋:坂本も大分説明が上手くなったけど,まだ,「説得力」という意味では弱い。そこで,よい機会だから,説得力を高めるポイントを説明するよ。よく聞いておいて欲しい。ちょっとペーパーに落としてきたので,一緒に見ながら詳しく説明していこう。名前は,「説得力を高める」7つのルールとしよう。


「説得力を高める」7つのルール

1.主張の後は必ず理由を言う。

2.理由は具体的で納得できるもの。

3.実際に発生した事例を理由にする。

4.短く端的に話す。

5.理由に明確な数字を使う。

6.理由には,曖昧な形容詞は使わない。

7.自信をもって話す。