米IBMと米AMDは,液浸リソグラフィ技術,超low-k(低誘電率)絶縁膜,複数の歪トランジスタ技術を用いた45nmルールのプロセス技術の成果について,米国時間12月12日に明らかにした。サンフランシスコで開催中のInternational Electron Devices Meeting(IEDM)で報告したもの。同プロセス技術を採用した最初の製品は2008年半ばに投入する見込みという。

 従来のリソグラフィによるプロセス技術では,65nmより細かいマイクロプロセサを設計するには制約が大きい。液浸リソグラフィは,リソグラフィ・システムのプロジェクション・レンズとウエーハの間に透明な液体を入れる方法で,チップ性能と製造効率を高めることができる。この手法を利用したSRAMセルは「約15%性能が向上した」(両社)。

 また,超low-k絶縁膜を使用することで,配線間の静電容量を低減し,配線遅延時間を短縮できる。従来のlow-k絶縁膜と比べ,「配線遅延を15%改善できた」(両社)としている。

 さらに両社は,歪トランジスタ技術を強化し,従来のトランジスタ技術と比べた駆動電流をpチャネル型で80%,nチャネル型では24%引き上げたと報告した。

 両社はLSI製造技術の開発に関する提携を2003年に締結。2005年には,契約期間を2011年まで延長し,32nm/22nmプロセスの研究にも取り組むことを発表している。

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