長らく保留状態になっていた米AT&Tと米BellSouthの合併案に,ようやく米連邦通信委員会(FCC)が判断を下すことになりそうだ。FCC法務顧問のSamuel Feder氏が,同委員のRobert McDowell氏(共和党)に投票権を与える意向を米国時間12月8日に明らかにした。

 AT&TとBellSouthは2006年3月,両社が合併計画に合意したことを発表。両社は7月に株主総会を開催し,株主から計画の承認を得た。また10月11日には米司法省(DOJ)が承認している(関連記事)。

 合併の実現にはFCCの承認を残すのみとなっていたが,FCCは当初10月12日を予定していた投票を延期した。FCC委員であるMichael Copps氏(民主党)とJonathan Adelstein氏(同)がこの買収計画に対する異義を唱え,パブリックコメント実施の必要性を指摘したためである(関連記事)。

 なおMcDowell氏は,2006年3月末まで同合併計画に反対する組織Competitive
Telecommunications Association(CompTel)に務めていたため,投票を棄権していた。

 FCCでは,同計画に反対するCopps氏およびAdelstein氏と,支持するKevin Martin氏(共和党)およびDeborah Taylor Tate氏(同)で票が分かれているが,McDowell氏が投票すれば買収計画が承認される見通しという(米メディア)。

 FCC委員長であるMartin氏はFeder氏の意見を歓迎しており,McDowell氏は「検討中」と述べている。

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[発表資料(2)]
[発表資料(3)]