米AMDは米国時間11月30日,2個のデュアルコア・プロセサを搭載可能な新しいパソコン向けプラットフォーム「AMD Quad FX Platform」(開発コード名「4x4」)と,同プラットフォーム向け新型デュアルコア・プロセサ「AMD Athlon 64 FX-70」「同FX-72」「同FX-74」を発表した。北米では同日から,全世界では2007年初めから利用可能とする(関連記事:米AMD,デュアルコアCPUを2個搭載する「Quad FX」プラットフォームを発表)。

 AMDは,マルチコア・プロセサを2個組み合わせるデュアル・ソケット技術「Dual Socket Direct Connect(DSDC)Architecture」でQuad FX Platformを実現した。2007年にはDSDCをクアッドコア・プロセサ対応とし,合計8コアの協調動作を可能とする予定。

 Quad FX Platformは12個のSerial ATA(SATA)コントローラを内蔵し,最大9Tバイトのストレージに対応する。最大4枚のPCI-Eグラフィックス・カードを搭載でき,同時にモニターを8台使える。

 新型プロセサは,2Mバイトのレベル2キャッシュ・メモリーを内蔵し,HyperTransportバスのクロック周波数は2000MHz,ソケットは「Socket 1207FX」。動作周波数と1000個ロット時の単価(2個セット)は以下の通り。パッケージはすべてProcessor-In-a-Box(PIB)とする。

【Athlon 64 FX-74】
・動作周波数:3.0GHz
・価格:999ドル

【Athlon 64 FX-72】
・動作周波数:2.8GHz
・価格:799ドル

【Athlon 64 FX-70】
・動作周波数:2.6GHz
・価格:599ドル

 米メディア(CNET News.com)によると,AMDが2つのデュアルコア・プロセサを組み合わせてクアッドコア構成としているのに対し,米Intelの「QX6700」は単一LSIでクアッドコアを実現したという。また同メディアは,Windows Vistaのうち2個のプロセサを認識できるエディションはBusiness/Enterprise/Ultimateだけで,Home BasicおよびHome Premiumでは2個目のプロセサを利用できないと報じている。

 同日,AMDは「AMD Industry Analyst Forum」において,サーバー向けクアッドコア・プロセサ「Quad-Core AMD Opteron」(開発コード名「Barcelona」)ベースのサーバーをデモンストレーションした。映像はAMDのWebサイトで視聴できる。

 デモンストレーションは,4個の「Quad-Core AMD Opteron 8000 Series」プロセサを搭載するサーバー上で,64ビット版Windows Server 2003を使って実施された。同プロセサではシリコン/絶縁膜構造(SOI)が採用され,65nmプロセスで製造された。

 クアッドコア版Opteronの出荷は,2007年なかごろに開始する予定。最初は,2~8ウエイのサーバーおよびワークステーション向けとする。

[発表資料(Quad FX PlatformとAthlon 64 FX-70製品系列)]
[発表資料(Quad-Core AMD Opteron)]