米AMDが米国時間6月1日に,2007年提供予定の次世代マイクロプロセサ・アーキテクチャと,パワー・ユーザー向けクアッドコア・プロセサ「4x4」(開発コード名),新たな技術供与プログラムなどを発表した。

 AMD社は2007年なかばに,サーバー,ワークステーション,デスクトップ・パソコン用の次世代マイクロプロセサ・アーキテクチャを利用可能とする。サーバー/ワークステーション/高性能デスクトップ・パソコン向けのクアッドコア・プロセサと,通常クラスのデスクトップ・パソコン向けデュアルコア・プロセサを用意する。

 シリコン/絶縁膜構造(SOI)を採用し,製造プロセス・ルールは65nm。処理負荷に応じて各演算コアの動作周波数を動的に変えることで,全体的な消費電力を削減するという。「こうした技術により(消費電力当たりの処理性能を示す指標である)performance-per-watt(ワット性能)は,現行のOpteron搭載サーバーに比べ,2007年には約60%,2008年には約150%向上する」(AMD社)

 AMD社は,次世代マイクロプロセサ・アーキテクチャをベースとするノート・パソコン向けデュアルコア・プロセサを,2007年下半期に提供する。演算コアのオン/オフを動作中に切り替え可能とし,処理負荷に応じてHyperTransportの帯域幅を変えられるようにする。

 4x4は,ゲーム愛好者やパソコン・マニア向けのデスクトップ・パソコン用プロセサ。複数のソケットに対応する。クアッドコア版を2007年に利用可能とするが,その際「最大8コアまで対応可能な設計を施す」(AMD社)

 AMD社はDirect Connect ArchitectureとHyperTransportに関する技術をライセンス供与する取り組み「Torrenza」を始める。米メディア(CNET News.com)によると,米Hewlett-Packard(HP),米Sun Microsystems,米IBM,米Crayが参加に合意したという。

 さらにAMD社は,サーバーおよびクライアント向けのセキュリティ/仮想化/管理技術「Trinity」と,同技術をベースとする取り組み「Raiden」(開発コード名)を発表した。ただし,詳細については明らかにしていない。

 またAMD社は,65nmプロセスによる量産開始の18カ月後(2008年なかば)に,45nmプロセス量産を始める計画を発表した。

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