中国のAnalysys Internationalは現地時間2月6日,2005年における中国のIC市場に関して調査した結果を発表した。それによると,同市場は同年の第2四半期から第3四半期にかけて継続的な成長を維持し,同年末までに3682億8000万人民元の規模に拡大した。中国の製造業者は,この成長に追いつくための取り組みが必要だと同社は指摘している。

 調査の結果,同市場の21%は産業市場が占めていることがわかった。IC製品のおよそ80%が国外の製造業者から提供されており,中国は世界のIC業界において米国や欧州から大きく遅れをとっている。

 同社によれば,国内のIC設計企業が提供する製品は,ローエンドのMCUとスマート・カード向けチップに限定されている。ハイエンドの製品は,国外企業の製品が独占している。たとえば,中国のVimicroは,世界のマルチメディア・チップ市場において60%のシェアを獲得しているが,CPU市場は米Intelと米AMD,第2.5世代(2.5G)および第3世代(3G)携帯電話向けチップセット市場は米QUALCOMMが独占し,メモリー・チップセット市場では韓国のSamsungが最大シェアを獲得している。

 「中国のIC業界には,技術革新とより多くの有能な人材が必要である。同国のIC設計部門の売上高は世界市場の3%にすぎない。保有するIC特許数も世界総数の4%未満である。また,半導体の材料と設備が中国のIC製造業界発展のボトルネックとなっている」(同社アナリストのZhao Yazhou氏)。

 同氏によれば,設備と8インチ以上のシリコン・ウエーハの95%以上を輸入に頼っている。引き続き高度なパッケージング技術と材料が,ICパッケージング業界の障害となっており,BGA/CSPパッケージング・ボードを製造する設備を持っている企業はほとんどない。また,MCPとSIPにおいても進展がないとしている。

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