米IBMは,ピッツバーグ大学医療センター(UPMC)にエンタプライズ向けストレージ・サーバー「IBM TotalStorage DS8300」3台と,ミッドレンジ向け「同DS6800」2台を納入した。IBM社が米国時間12月21日に明らかにしたもの。これまでUPMCは,米Hewlett-Packard(HP)のストレージ製品を使用していた。

 UPMCは,職員4万人,病院およびケア・センター19施設という規模の組織。ペンシルベニア州西部の主要医療機関であるという。ストレージ・システムとしてHP社の製品を使っていたが,「技術インフラを集約させるために包括的なストレージ・ソリューションが必要となった」(IBM社)。

 IBM社はUPMCと密に協力し,二つの階層に分かれたストレージ環境を構築した。第1階層はDS8300で構成する。2台を中央データセンターに,1台を約4km離れた災害復旧用サイトに設置した。第2階層は2台のDS6800で構成し,中規模アプリケーション用に使うほか,開発/試験環境としても利用する。

 このDS8300ベースのシステムは,処理性能が旧システムに比べ6倍以上速くなったという。また,記憶容量が増えたにもかかわらず,設置面積は以前の半分以下になった。

 UPMCは今後もインフラ刷新計画を進め,「IBM SAN Volume Controller」「IBM TotalStorage Productivity Center」を導入する予定だ。

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