英国図書館は英国時間11月4日に,書籍のデジタル化に関する米Microsoftとの戦略的提携関係を明らかにした。2006年に英国図書館の蔵書の2500万ページをデジタル化し,検索可能にする。その後の文書デジタル化についても長期的な協力体制を敷くという。

 Microsoft社と英国図書館は,著作権が消滅した約10万点の書籍をデジタル化し,Microsoft社のインターネット事業MSNの新たな書籍検索サービス「MSN Book Search」でオンライン検索が行えるようにする。MSN Book Searchは2006年にベータ版を開始する予定。

 「今回の提携は,デジタル化と保存を目的としているだけでなく,驚異的な書籍コレクションにアクセスできるというすばらしい体験をユーザーに提供するためのものだ」(Microsoft社会長兼チーフ・ソフトウエア・アーキテクトのBill Gates氏)

 なお,Microsoft社と英国図書館はすでに,デジタル・ライブラリ「National Digital Library」のインフラ構築に共同で取り組んでいる。National Digital Libraryは英国図書館が今年6月に立ち上げたプロジェクトで,電子新聞,電子ブック,CD-ROMといったデジタル収蔵品を長期に保存および利用するためのシステムを目指す。Microsoft社は同ライブラリ支援に向けたソフトウエア・ツール,アドバイスや技術サポートを提供している。

 書籍のデジタル化については,米Amazon.comが同社サイトで販売している書籍の全文検索サービスを展開しているほか,米Googleが今月初めに,米国大学や図書館が所有している著作権を問われない書籍の全文検索・閲覧を開始した関連記事

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