米Oracleは,1月に買収したPeopleSoft社から獲得したサプライヤ関係管理,サプライヤ・チェーン管理,会計アプリケーションの新版を米国時間10月5日に発表した。同日発表されたのは,「PeopleSoft Enterprise Supplier Relationship Management(SRM) 8.9」,「同Enterprise Supply Chain Management(SCM) 8.9」,「同Enterprise Financial Management 8.9」の3製品。

 Oracle社は,1月に発表した製品ロードマップで自社とPeopleSoft社およびJ. D. Edwards社の製品技術や機能を融合した業界標準ベースのアプリケーション・アーキテクチャ「Project Fusion」を構築するとしている。これらの新版は,同プロジェクトの一環として発表され,PeopleSoftユーザーがOracle製品に移行するための足掛かりになると位置付けされている。

 SRM 8.9では,ソーシングの最適化とトータル・コスト・モデリングを使うことにより,もっとも適したコスト/品質/リスクの組み合わせを実現できるとしている。また,新しいモジュール「Supplier Contract Management」を使い,サプライヤとの交渉を管理するほか,調達に関する最良事例を利用することにより,ビジネス・プロセスの効率を最大限に高められるという。

 Supplier Contract Managementは,条項をまとめたライブラリ,ウィザードで契約を作成するオーサリング・ツール,包括的な契約ポリシーなどにより,契約プロセスを標準化する。また,柔軟なワークフロー,正式な改定処理,法的また商業的条件の平行交渉により,リスクを回避しながら契約成立までの時間短縮,契約遵守を支援する。

 SCM 8.9は,エンド・ツー・エンドのビジネス・プロセスの自動化を支援し,変化する顧客の要求に対応するように機能強化が施されている。

 Enterprise Financial Managementの新版では,米国企業改革法(Sarbanes-Oxley Act)やInternational Financial Reporting Standards(IFRS:欧州の国際財務報告基準)といった会計規則に対応している。また,新しいプロジェクト管理,リスク緩和などの機能が強化され,資産ライフサイクル管理機能が加えられた。

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