米Time WarnerのAmerica Online(AOL)は,フィッシング対策を強化するために,米MarkMonitorおよび米Cyveillanceと協力体制を敷き,米Cyotaとの提携関係を拡大した。AOL社が米国時間10月5日に明らかにしたもの。

 「オンライン・セキュリティを手がける各社と協力して,幾重もの対策を講じることで,当社会員に対するフィッシング攻撃を1日当たり約800万件防ぐことに成功している」(同社)

 AOL社は提携企業の協力を得て,新規登録されたドメイン名が正当なものかを確認する警告システム,不審なWebサイトを発見するWebクロール機能,AOL会員が不審なサイトとして報告したWebサイトをチェックするURL分析機能などを実装した。また,会員が詐欺サイトによって個人情報を盗まれないよう,技術的な対策も導入した。

 同社はまた,世界各地のシステム管理者やWebホスティング業者と協力して,フィッシング・サイトの閉鎖に取り組んでいるほか,新たに発見したフィッシング・サイトに会員がアクセスしないように24時間体制でブロックしているという。

 AOL社上級副社長兼チーフ・トラスト・オフィサのTatiana Platt氏は,「フィッシング犯罪者と強盗の唯一の違いは,前者がキーボードを使い,後者が拳銃を使うことだ」と述べる。「フィッシングや個人情報の盗難による被害は毎年何十億ドルに達している。セキュリティ大手と提携して,当社会員を守るためにあらゆる対策を講じるつもりである」(同氏)

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