フィンランドのSSH Communications Securityが,Secure Shell(SSH)製品の新版「SSH Tectia client/server solution 5.0」「SSH Tectia Manager 2.0」をフィンランドと米国で現地時間9月21日に発表した。直ちに利用可能とする。

 同製品は,ネットワークでやり取りするデータを暗号化することで通信の機密を守る。WindowsやUNIX,Linuxのほか米IBM製メインフレーム環境で,高性能かつ安全なシステム管理,自動ファイル転送,アプリケーション間通信が可能となる。

 SSHサーバーおよびクライアントの管理は,SSH Tectia Managerで遠隔地から一元的に行える。セキュリティ・ポリシー配布やセキュリティ攻撃への対応を迅速に実行し,総所有コストを削減すると同時に,法規制の準拠も行いやすくなるという。

 新版は第3世代のSSHプロトコルを実装し,米国政府の暗号規則FIPS 140-2準拠の暗号化処理を高速化した。「暗号化/認証技術『CryptiCore』も高速化に貢献している」(SSH社)

 JavaおよびC言語用のクライアント・サイドSecure FTP(SFTP)APIを用意しており,各種アプリケーションやサード・パーティ製ファイル転送管理システムにSFTP機能を組み込める。メインフレーム用OSであるIBM z/OSに対応したことで,IBM社製メインフレーム環境で安全なシステム管理やファイル転送が利用できる。

 SSH Tectia Manager 2.0には公開鍵インフラ(PKI)機能を搭載し,大規模なSSH Tectia環境でホスト認証の一元管理が行えるようになった。

 なおSSH Tectia client/server solution 5.0は,「SSH Tectia Server 5.0」「同Client 5.0」「同Connector 5.0」という3種類のソフトウエアで構成する。

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