調査内容 システム分野別IT予算執行率
調査時期 2008年9月中旬
調査対象 ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者
有効回答 3158件(1196件)
( )内は情報システム担当者の有効回答数


 日経マーケット・アクセスが企業情報システム担当者を対象に実施している調査で,回答者の担当・関与している情報システムの「IT予算執行率INDEX(平均の予算執行率)」を業務アプリケーション8分野(および「その他の業務分野」),システム・インフラ7分野(および「その他のインフラ分野」)などに分けて聞いた。

 2008年7月~9月四半期は,業務アプリの「生産管理」とインフラ分野の「ストレージ系」の予算執行(消化)率が最も高く(「その他」分野を除く),ともに予算の平均98.2%を消化(1.8%未消化)。次いで「ハードウエア購入」とインフラ分野の「ネットワーク系(WAN,LAN,電話)」が98.0%の予算消化(2.0%未消化),インフラ分野の「アプリケーション(システム)間連携基盤系」が97.9%の予算消化(2.1%未消化)だった。逆に予算の執行(消化)率の最低は,業務アプリの「SCM系」で92.6%(7.4%未消化)だった。

 前回の2008年6月調査(2008年4月~6月四半期実績)と比較すると,予算執行(消化)率が最も低下したのは業務アプリの「物流」システム。前四半期はこの分野別の予算執行(消化)率でトップ(99.3%)だったが,この2008年7月~9月四半期の予算執行(消化)率は94.5%で約5ポイント・ダウンした。前出の「SCM系」の予算執行(消化)率は前四半期から4.3ポイントの低下。これら以外の各分野は,前四半期に比べてほぼ1ポイント以内の微増か微減であった(「その他」分野を除く)。

■調査概要
 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に,2008年7月~9月四半期のシステム投資の執行額が,予算に比べて超過または未達(未消化)になったかを聞いた。
 図中の「情報系システム」はグループウエアや情報共有システム,「ネットワーク系システム」はWAN,LAN,電話,「インターネット系システム」は情報発信,電子商取引,マーケティング関連のシステムを指すものとして回答を求めた。「運用・危機対策系システム」は/ビジネス・コンティニュイティ分野,「運用・保守開発」は信頼性向上やコストダウンを目的とするソフトの維持改良を含む。「ソフトウエア購入」はアプリケーション・ソフトやミドルウエアの購入を指すものとして回答を求めた。
 本文と図中の「予算執行率INDEX」は,選択式回答の「50%超の未達」を-65%,「20%~50%の未達」を-35%,「10%~20%の未達」を-15%,「10%未満の未達~10%未満の超過(ほぼ予算通り執行)」を0%,「10%~20%の超過」を+15%,「20%~50%の超過」を+35%,「50%超の超過」を+65%に換算して加重平均した値。ほかに選択肢として「予算は定めない」を提示しているが,この「予算執行率INDEX」の計算では母数に含めていない(無回答扱い)。
 なお,予算がゼロにもかかわらず当四半期に支出が発生した場合は「50%超の超過」,「予算ゼロ,かつ執行ゼロ」の場合は「ほぼ予算通り執行」を選択するよう求めている。新規購入や開発中の案件がなく,当四半期のIT関連支出が継続運用費やリース料の支払い,減価償却費のみの場合も「ほぼ予算通り執行」を選択するよう求めた。
 調査実施時期は2008年9月中旬,調査全体の有効回答は3158件,「所属する企業・組織で自社の情報システムにかかわる業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)を担当している」とした実質的な有効回答は1196件。

図●最新四半期(2008年7月~9月)のシステム分野別平均IT予算執行率
図●最新四半期(2008年7月~9月)のシステム分野別平均IT予算執行率