調査内容 システム分野別IT予算執行率
調査時期 2008年6月中旬
調査対象 ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者
有効回答 3163件(1207件)
( )内は情報システム担当者の有効回答数


 日経マーケット・アクセスが企業情報システム担当者を対象に実施している調査で,回答者の担当・関与している情報システムの「IT予算執行率INDEX(平均の予算執行率)」を業務アプリケーション8分野(および「その他の業務分野」),システム・インフラ7分野(および「その他のインフラ分野」)などに分けて聞いたところ,2008年4月~6月四半期は業務アプリの「物流」システムの予算消化率が最も高く99.3%(0.7%の未消化)。次いで「ハードウエア購入」が98.5%の予算消化(1.5%未消化),インフラ分野の「ネットワーク系(WAN,LAN,電話)」が98.2%消化(1.8%未消化)の順に,予算執行率が高かった。逆に予算執行率が最低だったのは業務アプリの「経営戦略系」で,93.8%(6.2%未消化)だった。

 前回の2008年3月調査(2008年2月実績)では,システム・インフラ7分野の予算執行率INDEXが99.4%(インターネット系,0.6%未消化)~98.0%(ストレージ系,2.0%未消化)と高めだったが,今回の4月~6月四半期実績では7分野とも前回調査よりやや執行率が低下。逆に業務アプリ系8分野は,「SFA・営業系」と「経営戦略系」がそれぞれ前回より3.0ポイント,2.0ポイント執行率を下げたものの,6分野の予算執行率が上昇した。

 「新規システム開発」と「既存システムの再構築」,「運用・保守開発」,「ハード購入」,「ソフト購入」の予算執行率も,前回調査より0.3~2.1ポイント低下。前回調査では平均0.1%の予算超過だった「ハード購入」は,今回も全分野の中では2番目に高い執行率(「その他」分野を除く)ではあるものの,1.5%の予算未消化に下がった。

■調査概要
 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に,2008年4月~6月四半期のシステム投資の執行額が,予算に比べて超過または未達(未消化)になったかを聞いた。
 図中の「情報系システム」はグループウエアや情報共有システム,「ネットワーク系システム」はWAN,LAN,電話,「インターネット系システム」は情報発信,電子商取引,マーケティング関連のシステムを指すものとして回答を求めた。「運用・危機対策系システム」は/ビジネス・コンティニュイティ分野,「運用・保守開発」は信頼性向上やコストダウンを目的とするソフトの維持改良を含む。「ソフトウエア購入」はアプリケーション・ソフトやミドルウエアの購入を指すものとして回答を求めた。
 本文中の「予算執行率INDEX(平均の予算執行率)」は,選択式回答の「50%超の未達」を-65%,「20%~50%の未達」を-35%,「10%~20%の未達」を-15%,「10%未満の未達~10%未満の超過(ほぼ予算通り執行)」を0%,「10%~20%の超過」を+15%,「20%~50%の超過」を+35%,「50%超の超過」を+65%に換算して加重平均した。ほかに今回から選択肢として「予算は定めない」を追加したが,「予算執行率INDEX」の算出には含めていない(無回答扱い)。
 なお,予算はゼロで当四半期に支出が発生した場合は,「50%超の超過」,「予算ゼロ,かつ執行ゼロ」の場合は「ほぼ予算通り執行」を選択するよう求めている。新規購入や開発中の案件がなく,当四半期のIT関連支出が継続運用費やリース料の支払い,減価償却費のみの場合も,「ほぼ予算通り執行」を選択するよう求めた。
 調査実施時期は2008年6月中旬,調査全体の有効回答は3163件,「所属する企業・組織で自社の情報システムにかかわる業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)を担当している」とした実質的な有効回答は1207件。

図●2008年4月~6月のシステム分野別平均IT予算執行率