調査内容 システム分野別IT予算執行率
調査時期 2007年12月中旬
調査対象 ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者
有効回答 2515件(1009件)
( )内は情報システム担当者の有効回答数

 日経マーケット・アクセスがITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に2007年12月に実施した調査で,システムの分野別に聞いた11月の企業・組織の「IT予算執行率INDEX(平均の予算執行率)」は,前月2007年10月実績(2007年9月調査)に続いて全分野が予算消化率95%以上という比較的高めの水準を維持。業務アプリケーション分野別では,「SFA・営業系」が2006年9月の調査開始(2006年8月実績)以来初めての予算超過(0.4%)を記録した。

 業務アプリではそのほか,「経営戦略系」(4.8%未消化)が前月10月実績(3.1%未消化)より1.7ポイント低下したが,全体の傾向としては予算消化率の変動は小さい。「SFA・営業系」に次いで,「会計」(99.2%消化),「物流」(98.4%消化),「人事・給与」(98.0%消化)の消化率が高いが,この3分野はいずれも2007年6月実績から6カ月間,97%以上の予算消化率を安定して維持している(「会計」は2007年4月実績から8カ月間)。

 システム・インフラ7分野(その他のインフラ分野を除く)は,全分野の予算執行率INDEXが14カ月連続マイナスを更新。前月2007年10月実績と同様,全分野の予算執行率INDEXが-1.7~-3.3%という狭い幅に収まった(前月は-1.1~-3.0%)。前月10月実績で予算執行率INDEX首位(-1.1%)だった「ネットワーク系」(今回-2.6%)が,7分野中最も大幅に下げている。

 「新規システム開発」と「既存システムの再構築」,「運用・保守開発」の3分野は予算消化率97%以上に揃ったが,中では「新規開発」(97.9%消化)が前月10月実績(95.5%消化)から2.4ポイントの比較的大きな上昇を示した。「運用・保守開発」(今回98.8%消化)は2007年7月実績から5カ月間,97%以上の予算消化率を維持している。「ハード購入」の予算執行率は前月2007年10月実績から約1ポイント上昇(98.3%消化→99.1%消化)したのに対し,「ソフト購入」は約1ポイント低下(98.2%消化→97.3%消化)。「ハード購入」の予算執行率も「運用・保守開発」と同じく2007年7月実績から5カ月間,97%以上の予算消化率を維持している。

■調査概要
 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に,前月(2007年11月)のシステム投資の執行額が,予算に比べて超過または未達(未消化)になったかを聞いた。
 図中の「情報系システム」はグループウエアや情報共有システム,「ネットワーク系システム」はWAN,LAN,電話,「インターネット系システム」は情報発信,電子商取引,マーケティング関連のシステムを指すものとして回答を求めた。「運用・危機対策系システム」は/ビジネス・コンティニュイティ分野,「運用・保守開発」は信頼性向上やコストダウンを目的とするソフトの維持改良を含む。「ソフトウエア購入」はアプリケーション・ソフトやミドルウエアの購入を指すものとして回答を求めた。
 本文中の「予算執行率INDEX(平均の予算執行率)」は,選択式回答の「50%超の未達」を-65%,「20%~50%の未達」を-35%,「10%~20%の未達」を-15%,「10%未満の未達~10%未満の超過(ほぼ予算通り執行)」を0%,「10%~20%の超過」を+15%,「20%~50%の超過」を+35%,「50%超の超過」を+65%に換算して加重平均した。
 なお,予算はゼロで当月執行が発生した場合は,「50%超の超過」,「予算ゼロ,かつ執行ゼロ」の場合は「ほぼ予算通り執行」を選択するよう求めている。新規購入や開発中の案件がなく,当月のIT関連支出が継続運用費やリース料の支払い,減価償却費のみの場合も,「ほぼ予算通り執行」を選択するよう求めた。
 調査実施時期は2007年12月中旬,調査全体の有効回答は2515件,「所属する企業・組織で自社の情報システムにかかわる業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)を担当している」とした実質的な有効回答は1009件。

図●2007年11月のシステム分野別平均IT予算執行率