日経マーケット・アクセスが企業の情報システム担当者を対象に行った調査で,2006年8月の「IT予算執行率」をシステムの分野別に見たところ,運用・危機対策系システムが平均-6.1%,経営戦略系システムが同-4.7%,SCM(サプライチェーン管理)系システムが同-4.6%で,全体平均(-2.8%,前回記事参照)より突出して低いという結果になった。

 今回の調査の自由意見欄では,「IT関連投資の重点が,コンプライアンスや内部統制に関連するものにシフトしている」(製造業,運輸/エネルギー業)一方で,「日本版SOX法や内部統制への対応の詳細が決まらず,具体的な導入内容を検討できない」(機械製造業,サービス業)との声が目立った。運用・危機対策や経営戦略関連のシステムの予算執行がやや滞っているのは,このような状況が影響しているものと見られる。

◆注
 調査実施時期は9月中旬,調査全体の有効回答は377件。「平均の予算執行率」は,選択式回答の「50%超の未達」を-65%,「20%~50%の未達」を-35%,「10%~20%の未達」を-15%,「10%未満の未達~10%未満の超過(ほぼ予算通り執行)」を0%,「10%~20%の超過」を+15%,「20%~50%の超過」を+35%,「50%超の超過」を+65%に換算して加重平均した。

図●2006年8月のシステム分野別平均IT予算執行率