調査内容 IT関連キーワードの認知度・業務への影響・利用状況
調査時期 2007年9月中旬
調査対象 ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者
有効回答 2073件(933件)
( )内は情報システム担当者の有効回答数

 日経マーケット・アクセスでは,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に,最新あるいは注目のIT関連キーワードを毎月三つずつ挙げて,その認知度,業務への影響と利用の状況について聞いている。2007年9月調査では,「マスター統合/コード統一」,「ITスキル標準(ITSS)」,米アップルの「Boot Camp」を取り上げた。

 企業の合併/買収/事業再編,海外拠点やグループ会社とのSCM構築や連結会計など,最近のさまざまなシステム再構築で避けて通れないのが「マスター統合/コード統一」。企業情報システムの担当者にとっては現在進行形の課題だったようで,「全社的に運用されている」が本調査で過去最大の13.8%(従来の最大は2006年10月調査のKM(ナレッジ・マネジメント)の12.8%)を記録。「一部の部門,業務で運用」も14.3%あり,合わせると“実運用中”とした回答者が3割近い。

 IT技術者のスキルを職種や専門分野ごとに明確化・体系化する指標として,2002年12月に経済産業省が策定した「ITスキル標準(ITSS)」。現在の最新版は2006年10月末に発表された「ITSS V2 2006」がである。これも「マスター統合/コード統一」に匹敵する関心の高さで,「自分の業務と深い関わりがある」とした回答者が34.6%を占めた。前出のKM(ナレッジ・マネジメント,34.0%),2007年3月調査のBCP(業務継続計画,35.0%),2007年4月調査のPMBOK(プロジェクト・マネジメント知識体系,36.7%)などと並ぶ高率である。ITSSを「全社的に運用」「一部の部門,業務で運用」とした回答者も合計で19.1%に達した。

 インテル製のCPUを搭載したMacintosh上でWindows XPやWindows Vistaを実行可能にするのが米アップルの「Boot Camp」。2006年4月にベータ版として一般公開され,2007年10月26日に出荷が始まった新版Mac OS X Leopardに標準搭載された。最近注目度が高い“仮想化”関連技術の一種として,企業情報システムの担当者の関心度を探ってみたが,日本では依然として,Macintoshと企業情報システムの接点が薄いことが浮き彫りになる結果だった。Boot Campを「聞いたことがない」という回答者が約6割,残り4割の「業務に通用する十分な知識がある」~「名前だけは聞いたことがある」回答者の中でも「自分の業務には関係ない」が43.3%。前回2007年8月調査のRuby言語の45.0%に次ぐ高い比率だ。応用/利用状況も過去のキーワードの中で五指に入る低スコアだった。

■調査概要
 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に,IT関連の最近のキーワードの認知度,自身の業務への影響をどう見ているか,回答者の所属組織での利用状況を聞いた。
 「認知度」は四択の質問で「業務に通用する十分な知識がある」を5,「内容をある程度理解している」を3.67,「名前だけは聞いたことがある」を2.33,「聞いたことがない」を1点にスコア換算した。
 同様に「業務への影響」は三択で「自分の業務と深い関わりがある」を5,「今は関わりがないが,将来関係するかもしれない」を3,「自分の業務には関係ない」を1点に換算。
 「応用/利用状況」は五択で「全社的に運用されている」を5,「一部の部門,業務で運用されている」を4,「一部の部門,業務で試験的に運用されている」を3,「導入を計画している」を2,「導入/利用計画はまだ具体化していない」を1点に換算した。
 調査実施時期は2007年9月中旬~下旬,調査全体の有効回答は2073件,「所属する企業・組織で自社の情報システムにかかわる業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)を担当している」とした実質的な有効回答は933件。

図1●情報システム担当者の最新キーワードの認知度・業務への影響・利用状況

図2-1●情報システム担当者の最新キーワードの認知度

図2-2●情報システム担当者の最新キーワードの業務への影響

図2-3●情報システム担当者の最新キーワードの利用状況