日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者への調査では,最新あるいは注目のIT関連キーワードを毎月三つずつ挙げて,その認知度,業務への影響と利用の状況について聞いている。2007年4月調査では,「PMBOK(プロジェクト・マネジメント知識体系)」「ブリッジSE」「エンタープライズ・サーチ(企業内文書検索)」を取り上げた。

 「PMBOK(プロジェクトマネジメント知識体系)」は,業務への影響度スコアで過去最高レベルだった「Windows Vista」(2006年11月調査)や「日本版SOX法」(2006年9月調査)に匹敵,利用状況スコアでも過去最高の「KM(ナレッジ・マネジメント)」(2006年10月調査)に次ぐ高得点だった。回答者の36.7%が「自分の業務と深い関わりがある」とした。利用状況も「全社的に運用」が8.7%,「一部の部門・業務で運用」を合わせると25.4%。ただし認知度では,「聞いたことがない」が4割近くと比較的多い。全体としては前回2007年3月調査で取り上げた「BCP(業務継続計画)」と似た傾向を示した。

 海外へソフト開発をアウトソーシングする際に,海外のソフト技術者と日本の技術者やユーザーの共同作業を支援する「ブリッジSE」。今回の調査では,この言葉は認知度スコア,業務への影響度スコアが低い割には,利用状況スコアがやや高めという結果だった。「聞いたことがない」が61.6%と高く,「自分の業務と深い関わりがある」は13.2%と目だって低率。しかし「一部で運用」が16.3%,「全社的に運用」と「一部で試験運用」を合わせると27.2%で4分の1を超えた。

 俗に「社内版“Google”」と呼ばれるように,企業内の情報を横断的に検索可能にするシステムが「エンタープライズ・サーチ」である。今回の調査では認知度の中で「名前だけは聞いたことがある」が33.9%と目だって高いものの,「業務に通用する十分な知識がある」,「内容をある程度理解している」の比率はさほど高くなく,2006年11月調査の「IA-64」に近い分布。業務への影響度への回答も特徴は乏しく,あえて挙げるならば2006年10月調査の「SOA(サービス指向アーキテクチャー)」と傾向が似ていた。利用状況も高くもなく低くもなく,といったレベルで,2006年12月調査の「生体認証」と似た傾向だった。

◆注
 調査実施時期は2007年4月中旬,調査全体の有効回答は1688件,うち情報システム担当者の有効回答は783件。
 「認知度」は四択の質問で「業務に通用する十分な知識がある」を5,「内容をある程度理解している」を3.67,「名前だけは聞いたことがある」を2.33,「聞いたことがない」を1点にスコア換算した。
 同様に「業務への影響」は三択で「自分の業務と深い関わりがある」を5,「今は関わりがないが,将来関係するかもしれない」を3,「自分の業務には関係ない」を1点に換算。
 「応用/利用状況」は五択で「全社的に運用されている」を5,「一部の部門,業務で運用されている」を4,「一部の部門,業務で試験的に運用されている」を3,「導入を計画している」を2,「導入/利用計画はまだ具体化していない」を1点に換算した。

図1●情報システム担当者の最新キーワードの認知度・業務への影響・利用状況

図2-1●情報システム担当者の最新キーワードの認知度

図2-2●情報システム担当者の最新キーワードの業務への影響

図2-3●情報システム担当者の最新キーワードの利用状況