調査内容 IT関連キーワードの認知度・業務への影響・利用状況
調査時期 2007年8月中旬
調査対象 ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者
有効回答 2138件(978件)
( )内は情報システム担当者の有効回答数

 日経マーケット・アクセスでは,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に,最新あるいは注目のIT関連キーワードを毎月三つずつ挙げて,その認知度,業務への影響と利用の状況について聞いている。2007年8月調査では,「Ruby」「VTL(仮想テープ・ライブラリ)」「XBRL(拡張ビジネス・レポーティング言語)」を取り上げた。

 日本生まれのオブジェクト指向スクリプト言語として話題になっている「Ruby」は,「名前だけは聞いたことがある」が47.9%,「内容をある程度理解している」と合計すると約7割の回答者が“ある程度知識はある”とした。しかし「自分の業務と深い関わりがある」とした回答者はわずか6.5%で過去最低,逆に「自分の業務には関係ない」が45.0%で過去最大だった。応用/利用状況のスコアも最下位に近い。

 ハードディスクの低価格化とデータ保護・バックアップ/リカバリへの関心の高まりにより,大規模からエントリまで製品の選択肢が増えてきた「VTL(仮想テープ・ライブラリ)」。「一部の部門,業務で運用」が10.9%,「全社的に運用」が3.5%で,合わせると“実運用中”とした回答者が15%近い。ただし「導入を計画している」が5.4%と少なく,「導入/利用計画はまだ具体化していない」が約8割と多め。先進的なユーザー層はある程度集まったものの,それに続く層が薄いようだ。

 上場企業の財務報告の標準データ形式として,金融庁が現在のHTML形式に替えて2008年4月から採用を義務付ける「XBRL(拡張ビジネス・レポーティング言語)」。XMLベースで財務・会計情報を記述する標準形式で,2007年7月から8月末にかけては金融庁が予行演習としてXBRLでのデータ授受システムを公開した。しかし認知度,業務への影響,利用状況とも低スコア。「聞いたことがない」という回答者が70.0%,「導入/利用計画はまだ具体化していない」が89.1%でともに過去最大だった。業務への影響度の中の「今は関わりがないが,将来関係するかもしれない」は57.5%で比較的高率だった。

■調査概要
 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に,IT関連の最近のキーワードの認知度,自身の業務への影響をどう見ているか,回答者の所属組織での利用状況を聞いた。
 「認知度」は四択の質問で「業務に通用する十分な知識がある」を5,「内容をある程度理解している」を3.67,「名前だけは聞いたことがある」を2.33,「聞いたことがない」を1点にスコア換算した。
 同様に「業務への影響」は三択で「自分の業務と深い関わりがある」を5,「今は関わりがないが,将来関係するかもしれない」を3,「自分の業務には関係ない」を1点に換算。
 「応用/利用状況」は五択で「全社的に運用されている」を5,「一部の部門,業務で運用されている」を4,「一部の部門,業務で試験的に運用されている」を3,「導入を計画している」を2,「導入/利用計画はまだ具体化していない」を1点に換算した。
 調査実施時期は2007年8月下旬,調査全体の有効回答は2138件,「所属する企業・組織で自社の情報システムにかかわる業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)を担当している」とした実質的な有効回答は978件。

図1●情報システム担当者の最新キーワードの認知度・業務への影響・利用状況

図2-1●情報システム担当者の最新キーワードの認知度

図2-2●情報システム担当者の最新キーワードの業務への影響

図2-3●情報システム担当者の最新キーワードの利用状況