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日経マーケット・アクセスが，ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象として2007年8月に実施した調査では，国内の主な情報通信製品/サービス・ベンダーとシステム・インテグレーター（SIer）を対象に，利用者の満足度を聞いた。昨日（10月3日）公開の記事での3項目の評価結果に続き，今日は残りの3項目，実務的な「システム構築力」「運用サービス力」と「サービス料金」についての満足度，それに6項目の総合満足度の結果（前回2007年2月の調査結果は3月28日付け記事を参照）を紹介する。
SIerの満足度は，全6項目とも有効回答数が30以上に達した対象企業が22社（前回2007年2月調査では14社），このうち「システム構築力」「運用サービス力」と「サービス料金」の3項目とも回答数50以上に達した企業が18社（昨日の記事での「回答数50以上」の17社とネットワンシステムズ，前回2月調査では8社）だった。
「構築力」でIBMサービスとNTTデータに割って入ったネットワン
3項目とも100回答以上を集めたSIer 8社の中で，「構築力」満足率INDEX（算出方法は下記の注釈参照）は，日本アイ・ビー・エム・サービス（ISC-J）の56.3％が大きく抜け出てトップ。次いでNTTデータの51.4％で，3位のNECソフト以下は50％に満たない。50回答以上の18社で見ると，ネットワンシステムズ（53.6％，前回は回答数不足でランク外）が2位に食い込む健闘。前回調査でNTTデータとトップを争った伊藤忠テクノソリューションズ（CTC，46.9％）は新日鉄ソリューションズ（NSSOL，48.7％），富士通ビジネスシステム（48.2％）に次ぐ6位だった。3項目とも50回答以上の18社の「構築力」平均満足率INDEXは40.6％で，100回答以上の8社中の8位はNECフィールディング（30.5％），50回答以上の18社中の18位はオービック（26.9％）だった。
「運用サービス力」の満足率INDEXは，100回答以上の8社ではNECフィールディングの57.2％が突出。2番手の富士通エフサス（Fsas，旧富士通サポート＆サービス，51.7％），3番手のリコー（50.7％）までが満足率50％に到達した。しかし50回答以上の18社で見ると，日立電子サービス（日立電サ）が65.9％でNECフィールディングをさらに8ポイント以上も上回る断トツ。富士ゼロックス（57.4％）もNECフィールディングと並ぶ評価を得た。18社の「運用サービス力」平均満足率INDEXは46.3％で，100回答以上の8社中の8位はキヤノンマーケティングジャパン（キヤノンMJ，41.2％），50回答以上の18社中の18位はオービック（36.2％）だった。
6項目総合満足度は日立電サが首位に返り咲き
最後に残った「サービス料金」の満足率INDEX（18社平均44.4％）は，大塚商会が60.3％，リコーが59.8％で首位争い。やや離れた3位がキヤノンMJ（54.4％），4位NECフィールディング（52.7％）。50回答以上100回答未満のグループでの最上位は富士通ビジネスシステムの51.1％だった。100回答以上の8社中の8位はISC-J（34.8％），50回答以上の18社中の18位はNSSOL（25.3％）だった。
今回の実務系3項目の満足度INDEXの平均では，100回答以上の8社中のトップを大塚商会とリコーがともに49.9％で分け合い，NTTデータ（43.6％）とキヤノンMJ（43.5％）がブービー争い。50回答以上の18社中では日立電サが52.9％で大塚商会とリコーを上回り首位。18位はオービック（31.9％）で17位の日立情報システムズ（36.4％）に5ポイント近くの差をつけられた。
この結果，「提案力」「プロジェクト管理能力」「業務・業界知識」「システム構築力」「運用サービス力」「サービス料金」の全6項目の満足率INDEXを平均した「総合満足度」では，「運用」と「プロジェクト管理」の2項目を制した日立電サが，17社中唯一50％を超す52.7％でトップ。前々回2006年11月調査以来のトップに返り咲いた。2位は「知識」と「構築」で首位のISC-J（49.7％），僅差で富士ゼロックスが3位（49.5％）となった。「提案」首位のNTTデータは6項目平均では47.5％，「料金」首位の大塚商会は46.9％で，ともにリコー（47.9％）に次ぐ5位と6位にとどまった。全6項目30回答以上の22社で見ても，ネットワンシステムズがNTTデータと同率5位（47.5％）に食い込む程度で上位には影響がない。
6項目平均での満足度のブービー争いはオービック（32.2％）と兼松エレクトロニクス（32.8％）。100回答以上の8社中ではNECフィールディング（43.3％）と富士通エフサス（43.1％）が7位と8位だが，ともに全6項目30回答以上の22社の総合平均（42.9％）を上回った。
■調査概要
日経マーケット・アクセスが，ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に，主要インテグレータに対する満足度を聞いた。
大手SIerの中からメーカー系/独立系や専門分野などのバランスを考えて，本図の18社のうち富士ゼロックスを除く17社と富士ソフト，兼松エレクトロニクス（旧メモレックス・テレックスを含む），TISの合計20社をピックアップし，有効回答者全員に評価を求めた。全6項目とも有効回答数が30以上に達した対象企業22社は，以上の21社とNECネクサソリューションズであった。
NECソフトについては，九州，中部など各地のグループ会社を含めて評価するよう求めた。富士ゼロックスなどその他の大手SIer 48社については，SIerと回答者をそれぞれ3グループに分けて，各回答者に16社だけを提示し評価を求めた。評価対象企業全68社のリストは，本調査の設問の原文とともに，日経マーケット・アクセスの有償会員向けサイト「日経MA-INDEX 企業情報システム」で公開している。
「提案力」「プロジェクト管理能力」「業務・業界知識」「システム構築力」「運用サービス力」「サービス料金」の六つの満足率INDEXはいずれも，まず「評価対象のSIerを利用しているか」，「評価項目に該当するサービスやソリューションの提供を受けているか」の二つの設問を提示。ともに「該当する」とした回答者数（有効回答数）を，そのSIerのその評価項目についての100％とし，その評価項目に「満足」とした回答者の比率（％）を「満足率INDEX」とした。
なお本文中で紹介している前回2007年2月調査と前々回2006年11月調査では，選択式回答の「大変満足」を100，「やや満足」を67，「やや不満」を33，「大変不満」を0点にスコア換算して平均した「満足度INDEX」を表示していた。
調査実施時期は2007年8月下旬，調査全体の有効回答は2138件，「所属する企業・組織で自社の情報システムにかかわる業務（企画立案・設計・開発・運用・予算承認など）を担当している」とした実質的な有効回答は978件。
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| 図1●主要システム・インテグレーターのシステム構築力，運用サービス力，サービス料金への満足度（回答数100以上） |
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| 図2●主要システム・インテグレーターのシステム構築力，運用サービス力，サービス料金への満足度（回答数50以上100未満） |
