写真1●Hitachi Virtual Storage Platform G1000の外観
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写真2●日立データシステムズ、グローバルソリューション戦略・開発担当、エグゼクティブヴァイスプレジデントのジョン・マンスフィールド(John Mansfield)氏
写真2●日立データシステムズ、グローバルソリューション戦略・開発担当、エグゼクティブヴァイスプレジデントのジョン・マンスフィールド(John Mansfield)氏
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 日立製作所は2014年4月23日、ハイエンドSANストレージの後継新機種「Hitachi Virtual Storage Platform G1000」(VSP G1000、写真1)を発表(写真2)、同日出荷した。従来機種「VSP」と比べて性能を3倍に高めたほか、ストレージ仮想化機能を強化して2台のVSP G1000を論理的に1台のストレージとして扱えるようにした。

 VSP G1000は、日立製作所のハイエンドストレージである。VSPの後継に当たる(関連記事:日立が大規模ストレージを刷新、自動階層化とスケールアウト拡張に対応)。VSPと比べて、ハードウエアの強化により、ストレージ性能をVSP比で3倍となる300万I/O毎秒に高めた。また、OSの強化により、ストレージ仮想化機能を一段階進めた。

 新たなストレージ仮想化機能として、2台のVSP G1000でクラスターを組んで、これらを論理的に1台のストレージとして扱えるようにした。ボリュームの同期ミラーリングに相当し、WANを介した拠点間で同期できる。外部にアクセス仲介ゲートウエイ(ストレージ仮想化装置)を用意することなく、ストレージだけでアクティブアクティブのクラスターを組める。2台のVSP G1000のいずれも、サーバーからのアクセスを受けられる。将来的には、2台を超える台数でクラスターを組めるようにする予定である。

ストレージ仮想化を強化、旧型からのリプレースにも応用

 なお、VSPはこれまで、VSPの配下にぶら下げた複数の異機種ストレージを束ねてプール化し、論理的に1台のストレージとして利用する機能を提供してきた。データのアクセス頻度に応じてストレージプール内でデータを自動的に移動させる動的ILM(ストレージ階層化)機能も提供してきた。今回、VSPのストレージ仮想化機能を一段階進め、VSP配下のストレージを仮想化するだけでなく、VSP同士を束ねて仮想化できるようにした。

 さらに、今回追加したストレージ仮想化機能(異なるストレージ上にある2個のボリュームを、同一の1個のボリュームに見せる機能)を使うと、ストレージのリプレース、つまり、旧型のストレージを使い続けながら新型のストレージ(VSP G1000)にデータを移行する使い方ができる。この場合、サーバーからのアクセスはVSP G1000が受ける。VSP G1000と組み合わせるもう1台の旧型ストレージとしては、VSP、Hitachi Universal Storage Platform V(USP V)、USP VM(関連記事:日立がボリューム仮想化ストレージにエントリ機種を追加)、---のいずれかを利用できる。

 VSP G1000の最大容量は、きょう体内部で4511Tバイト(2.5型×2304台または3.5型×1152台)、配下に接続する外部ストレージを含めて287ペタバイト。最大接続チャネル数は、FC(Fibre Channel)×192チャネル、メインフレーム接続×176チャネル。搭載ドライブは内部SAS接続で、専用のフラッシュストレージ、SSD、SASディスク、ニアラインSASディスク、を収容する。