写真●日立製作所の大規模向けストレージ装置「Hitachi Virtual Storage Platform」
写真●日立製作所の大規模向けストレージ装置「Hitachi Virtual Storage Platform」
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 日立製作所は2010年9月28日、アーキテクチャを刷新した大規模向けストレージ装置「Hitachi Virtual Storage Platform」(VSP)を発売した。より高速ドライブにアクセス負荷の高いデータを自動配置する「自動階層化」機能を新たに用意。複数のVSPを連結するスケールアウト型の拡張機能を追加するなど、性能・容量・コストの3軸で最適な構成を選べるようにした。

 自動階層化は、フラッシュメモリーによる半導体ストレージのSSD、高速なSASハードディスク、大容量のSATAハードディスクを組み合わせて必要な性能と容量のバランスを取るオプション機能。アクセス負荷の高いデータをSSDに配置、あまりアクセスされないデータをSATAハードディスクに格納、といったデータの再配置を自動実行する。

 企業向けストレージでは、自動階層化は一般的な機能になりつつある。VSPの特徴は、データを42Mバイト単位できめ細かく配置するため容量効率が高いこと。例えば他社製品における自動階層化は、米IBMが1Gバイト単位、米EMCがボリュームまたは1Gバイト単位で実施する。

 拡張性については、2セットのVSPを連結するスケールアウト構成に対応した。ドライブやサーバーを接続する入出力ポートとCPUモジュールおよびキャッシュモジュールを、独自スイッチで接続するアーキテクチャを採用。これにより、スイッチ同士の結線で複数のVSPを1台のVSPとして扱えるようにした。CPUやドライブ装置を追加する拡張方式(スケールアップ)、他社製ストレージを外付けする拡張方式と合わせて、ユーザーが必要な処理性能や容量に応じた構成を選べるようにした。

 構成の自由度を高める一方で、VSP向けの構築・運用サービスを用意する。コスト削減効果やハードウエア/ストレージ仮想化構成の最適解を提示するサービスや、構成変更や稼働状況のレポート作成を代行する運用サービスなどを提供する。

 価格はVSPが7715万2950円(718Gバイト容量時)から。自動階層化機能を追加する「Hitachi Dynamic Tiering Software」は220万5000円から。構築・運用サービスは個別見積もり。同年10月4日に出荷およびサービス提供を始める。