楽天Edy(東京都品川区)とTFペイメントサービス(東京都港区、トッパン・フォームズグループ)は2014年4月18日から、「おサイフケータイ」機能を搭載したスマートフォンを電子マネー「Edy(エディ)」の決済端末として活用するサービスを始めた(写真)。
第1弾として「楽天Koboスタジアム宮城」(仙台市)のスタンドの一部で、観客がビールを購入する時に、Edyのカード・携帯電話をスマートフォン決済端末にタッチするだけで支払えるようにした。スマートフォンを電子マネー決済端末として使う国内初の取り組みとなる。
夏頃までに楽天Koboスタジアム宮城内の全エリアへの利用拡大を目指す。さらに、楽天グループ以外の屋外スポーツ・音楽イベント主催者や宅配サービス事業者などへの普及を図る計画だ。
事業者は楽天Edyと加盟店契約したうえで、スマートフォンにアプリケーションをダウンロードすれば、そのままEdyの決済端末として利用できる。決済処理はTFペイメントサービスのクラウドサービス「Thincacloud」(シンカクラウド、関連記事)を通して行う。
スマートフォンを利用する決済サービスとしては、米SquareやPayPal、コイニー(東京都渋谷区)などが提供するクレジットカード決済サービスが急速に広がっている(ITproまとめ「スマートフォンクレジットカード決済」参照)。スマートフォンのイヤホンマイクジャックに小型カードリーダーを取り付けて、アプリとクラウドサーバーを通じて決済を行うもの。楽天自身も2012年12月に「楽天スマートペイ」というサービス名で参入している(当時の記事)。
一方、EdyやSuica(スイカ)など非接触IC電子マネーの決済には、専用端末が使われてきた。もともと国内で販売されているAndroidスマートフォンは非接触IC(FeliCa/NFC)のリーダー/ライター機能を内蔵しているものが多い。楽天EdyとTFペイメントサービスが始めた新方式は、別途のカードリーダーを取り付ける必要がない点や、カードをタッチするだけで決済が完了する簡便さなどでメリットがあり、今後広まる可能性がある。