米Amazon.comは現地時間2014年4月8日、同社のビデオ配信サービス「Prime Instant Video」における視聴回数が、前年と比べ3倍近くに拡大したと発表した。「ストリーミングビデオ視聴で米Appleと米Huluを抜いた」としている。

 Prime Instant Videoは、Amazon.comの商品配送優遇プログラム「Amazon Prime」の加入者を対象に提供しているサービスで、約4万本の映画やテレビ番組を無料でストリーミング視聴できる。同社デジタルビデオおよび音楽部門担当バイスプレジデントのBill Carr氏によると、Amazon.comはこれまで数億ドルを投じてビデオ配信事業の強化を図ってきた。映画会社やテレビ局などコンテンツパートナーによる作品のほか、オリジナル制作の番組も配信している。

 今回の発表は、米Qwiltの視聴調査結果に基づいたもの。エンターテインメントビジネス誌「Variety」のオンライン版が伝えたQwiltのデータでは、2014年3月におけるビデオストリーミング視聴は米Netflixがシェア57.5%(前年は52.5%)を占め、圧倒的首位に立っている。米GoogleのYouTubeはシェアが16.9%(同28.2%)に縮小したが2位のポジションを保持。Prime Instant Videoのシェアは3.0%(同0.6%)、Huluは2.8%(同1.5%)だった。

 なおAmazon.comは4月2日にセットトップボックス(STB)「Fire TV」を発表し、同日より99ドルで米国での販売を開始した(関連記事:Amazon.com、動画配信の専用端末「Fire TV」、99ドルで発売)。また、Amazon Primeの年会費を4月17日に従来の79ドルから99ドルに引き上げることを先月発表している(関連記事:Amazon.com、米国で「Prime」の年会費を99ドルに値上げ)。

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