米Amazon.comは現地時間2014年3月13日、商品配送優遇プログラム「Amazon Prime」について、米国における年会費を79ドルから99ドルに引き上げると発表した。値上げの実施日は2014年4月17日。既存会員で更新日がこれより前の人は、従来通り79ドルで更新できる。更新日が4月17日以降の人は新たな年会費が適用される。

 Amazon Primeは、都度の送料がかからず、商品が2日以内に届く急ぎ便サービスを無制限に利用できるプログラム。米国ではこのほか、約4万本の映画・テレビ番組を無料で視聴できるストリーミングビデオサービス「Prime Instant Video」、電子書籍端末「Kindle」やタブレット端末「Kindle Fire」を持つPrime会員が、50万冊の電子書籍の中から1カ月に1冊を無料でレンタルできる「Kindle Owners' Lending Library」という特典が付く。

 Primeが始まったのは2005年。米国で年会費を値上げするのはこれが初めて。Amazon.comのTom Szkutak最高財務責任者(CFO)は今年1月、物流コストの上昇を理由に、20~40ドル引き上げることを示唆していた。英Reutersによると、同社の広報担当者は今回の値上げについて「インフレや燃料費の上昇を考慮すると、2005年の79ドルは、現在の100ドル以上に相当する」と述べている。また同社はPrime会員に宛てた電子メールで「2005年当時急ぎ便サービスの対象商品は100万点だったが、今では2000万点ある」と、サービスの向上をアピールしている。

 米Amazon.comについては先ごろ、オンデマンド音楽ストリーミングサービスを計画していると報じられた。Amazon.comは同サービスをPrimeの新たな特典として提供し、会員増大を図ると伝えられている(Amazon.com、音楽のストリーミングサービスを計画中---米メディア)。

 なお、同社は2月に英国で同様の値上げを実施したばかり。英国におけるPrimeの年会費は従来49ポンド(約8400円)だったが、これに約1万5000本の映画・テレビ番組を視聴できる「Prime Instant Video」を付け、79ポンド(約1万3500円)に値上げした。

 ちなみに日本の「Amazonプライム」の年会費は3900円。日本では急ぎ便や日時指定便が追加料金なしで無制限に利用できるほか、米国と同様に、Kindle端末の所有者が電子書籍を1カ月に1冊、無料でレンタルできる「Kindleオーナーライブラリー」が付く。

[Amazon.comのWebサイト]