写真●富士通のシンガポール拠点
写真●富士通のシンガポール拠点
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 富士通がASEAN地域での金融事業を強化する。2014年4月に日本から幹部社員を送り込むと共に、シンガポール拠点を中心に各国の情報を一元的に集約できる体制作りを進める方針だ(写真)

 活発化する国内メガバンクのASEAN進出を背景に、同地における金融向けの事業体制を充実させる。富士通はシンガポールのほか、タイ、マレーシア、ミャンマーなどに金融向けのIT人材を50~60人抱えている。それに加えて2014年4月には、日本から新たに幹部社員を5人送り込む。

 従来は各国の拠点単位で顧客対応をしていたが、拠点間の連携を密にする仕組みも整備していくという。シンガポールには多くの企業がアジア・パシフィック地域の統括拠点を構えている(関連記事:クラウドサービスに注力、年間2倍のスピードで成長)。同国拠点が情報を集約し、統率する体制が有利と判断した。

 ASEANでの金融向けビジネスを重視しているのは、富士通だけではない。NTTデータは2014年1月8日、ASEAN主要国の中央銀行が主導する決済関連システムの標準化団体に加盟したと発表した(関連記事:NTTデータ、決済システムの国際標準化団体に加盟)。日立製作所は2012年に、金融システムに強いマレーシアのITベンダーを買収している(関連記事:日立、マレーシアの金融系ITベンダーを連結子会社化)。