シンガポールに拠点を置く富士通アジアは、二つの組織を持つ。一つは、ASEAN6カ国の統括会社。ギャビン・セルカーク氏が責任者を務める(関連記事:「真の国際化」で売り上げ倍増を目指す)。もう一つは、シンガポールの現地拠点である富士通シンガポールである。同社の社長を務めるウォン・ヘン・シュウ氏に、シンガポールにおける同社の事業展開とシンガポールの魅力を聞いた。

(聞き手は岡部 一詩=日経コンピュータ


シンガポールにおける主力事業とメイン顧客は。

写真1●富士通シンガポールのウォン・ヘン・シュウ社長
写真1●富士通シンガポールのウォン・ヘン・シュウ社長
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 当社の従業員数は約400人、そのうちの85%が技術者だ。およそ400の顧客数を抱えているが、日系企業は2~3割程度とそこまで多くない。シンガポールの政府や教育機関、金融機関、流通や製造業、あるいは外資系の銀行がメインの顧客だ。

 主に三つの領域を手掛けている。一つめは、インフラ関連のサービスやソリューションだ。例えば、顧客がデータセンター(DC)を構築したいといった場合に、サーバーやネットワーク機器といった製品の提供や設置、あるいはそのインテグレーションを請け負う。売上高の約65%を占めている。

 二つめは、クラウドとマネージドサービス。最も注力し、投資している分野だ。当社はシンガポールに自前のDCを所有している。顧客からの要望に合わせたDCの提供が可能だ。

 クラウドサービスとしては、IaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)やSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)を展開している。

 システム運用・保守を総合的に支援するマネージドサービスの領域では、顧客の要望に応じて柔軟に対応している。