写真●Wyse D10DPの外観
写真●Wyse D10DPの外観
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 ワイズテクノロジーは2013年11月5日、Windowsよりも起動時間が短い独自OS「Wyse ThinOS」を搭載したシンクライアント端末として初めて、VMware Horizon ViewのPCoIP(PC over IP)クライアント機能を搭載したモデル「Wyse D10DP」(写真)を発表した。2013年12月に発売する。開発会社は米Wyse Technology。

 Wyse D10DPは、VDI(デスクトップ仮想化)においてWindowsデスクトップの画面をリモート操作するための画面情報端末(シンクライアント)である。x86系CPUを搭載した省スペース型のデスクトップ機で、独自OSのThinOSを搭載している。画面情報端末プロトコルは、Windows標準のRDP(Remote Desktop Protocol)と、Citrix ICA、PCoIPの三つを利用できる。

 2013年10月に販売開始した既存モデル「Wyse D10D」(関連記事)をベースに、PCoIPクライアントソフトを追加したモデルとなる。従来、PCoIPクライアント機能は、Windows Embededを搭載した機種か、カナダTeradiciのPCoIP専用チップセットを搭載した機種でしか使うことができていなかった。今回、同社のシンクライアント専用OSであるWyse ThinOS上で動作するPCoIPクライアントソフトと、これを搭載したモデルを用意した形である。

 Wyse ThinOSの特徴は、Windows EmbededよりもOSの起動時間が短いことである(6~8秒で起動するノート型シンクライアント、ワイズテクノロジーが発売)。一方、PCoIPの特徴は、ネットワーク帯域や遅延に応じて動画の解像度を落とすなど、ユーザーの体感上の画面操作性やレスポンスを高めていること。VDIソフトのVMware Horizon Viewが、RDPに加えてPCoIPを利用できるようにしている。

 価格はオープンだが、PCoIPクライアント機能を含まないモデル(Wyse D10D)よりも若干(3000円程度)高くなるとしている。なお、Wyse D10Dの価格はWindows Embeded搭載機のWyse D90と同程度としている(編集部推定価格は3万円台後半から4万円台前半)。