写真●Wyse D10Dの外観
写真●Wyse D10Dの外観
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 ワイズテクノロジーは2013年10月18日、Windowsよりも起動時間が短い独自OS「Wyse ThinOS」を搭載したデスクトップ型シンクライアント端末のハイエンドモデル「Wyse D10D」(写真)を発表、同日販売を開始した。既存のWindows Embeded搭載機「Wyse D90」のきょう体を流用し、Windows Embededの代わりにThinOSを搭載している。価格はオープンだがWyse D90と同程度(D90の編集部推定価格は3万円台後半から4万円台前半)。開発会社は米Wyse Technology。

 Wyse D10Dは、VDI(デスクトップ仮想化)において、遠隔地にあるWindowsデスクトップの画面をリモート操作するための、画面情報端末(シンクライアント)である。x86系CPUを搭載した省スペース型のデスクトップ機で、独自OSのThinOSを搭載している。画面情報端末プロトコルは、Windows標準のRDP(Remote Desktop Protocol)とCitrix ICAの両方を利用できる。

 最大の特徴は、同社のシンクライアント専用OSであるWyse ThinOSを搭載していることである。これにより、同社のWindows Embeded搭載機と比べて、OSの起動時間を大幅に短縮している。2013年4月にARMプロセッサーベースのThinOS搭載機を発表した時には、OSの起動時間は、Windows Embededが1分近くかかるのに対して、Wyse ThinOSでは6~8秒程度で済むとしていた(関連記事:6~8秒で起動するノート型シンクライアント、ワイズテクノロジーが発売)。

 これまで同社は、Wyse ThinOS搭載機として、デスクトップ型2機種(Wyse C10LE、Wyse T10)と、ノート型2機種(Wyse X10cj、Wyse X10j)を提供してきた。今回の新機種であるWyse D10Dは、Wyse ThinOSを搭載したデスクトップ型としては3機種目で、ハイエンドに相当する。Wyse D10DのCPUは、デュアルコアのAMD G-Series T48Eであり、既存のWyse C10LE(VIA Eden)やWyse T10(Marvell ARMADA PXA 510 v7 SoC)よりも高性能である。

 なお、Wyse D10Dは、ハードウエアとしてはWindows Embeded搭載機であるWyse D90(D90DW、D90D7)を流用している(関連記事:ワイズ、Windowsシンクラ端末のハイエンド機種に廉価版)。Wyse D90のOS部分をWindows EmbededからWyse ThinOSに置き換えたモデルに相当する。