写真●「Wyse X10cj」と「Wyse X10j」の外観
写真●「Wyse X10cj」と「Wyse X10j」の外観
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 ワイズテクノロジーは2013年4月23日、ARMプロセッサーと独自OSによってOS起動時間を6~8秒と高速化したノート型シンクライアント端末「Wyse X10cj」および「Wyse X10j」(写真)を発表、同日販売を開始した。モバイル型(ノート型)の形状と独自OSの組み合わせは、今回が初めてである。

 最大の特徴は、同社のシンクライアント専用OS「Wyse ThinOS」を搭載したこと。これにより、既存機種(Windows Embeded搭載機)と比べてOSの起動時間を大幅に短縮するとともに、セキュリティを高めた。OS起動時間は、Windows Embededが1分近くかかるのに対して、Wyse ThinOSでは6~8秒程度で済むという。

 同社のシンクライアント端末の場合、デスクトップ型はWyse ThinOS搭載機とWindows Embedded搭載機の両方を提供してきた。これに対してノート型はWindows Embedded搭載機に限られていた。今回、ノート型としては初めてWyse ThinOS搭載機を用意した。これにより、外出先などモバイル用途において、すぐにOSを立ち上げられるようになった。

 新モデル2製品の主な仕様は、以下の通り。「Wyse X10cj」は11.6型ディスプレイ(1366×768ドット)を搭載し、重さは1.45kg。「Wyse X10j」は14型ディスプレイ(1366×768ドット)を搭載し、重さは1.831kg。いずれも無線LAN機能を内蔵する。共通仕様としては、CPUがARMベースのMarvell Armada 510(1GHz)で、OSはWyse ThinOS 7.1。画面情報端末プロトコルは、Windows RDPとCitrix ICAの両方を利用できる。

 なお、同社のシンクライアント端末には、Windows/LinuxやWyse ThinOSといったOS(ソフトウエア)を使うことなく、シンクライアントに必要な機能を専用のハードウエア機構やファームウエアで実現した“ゼロクライアント”製品もある(VMware PCoIP用のPシリーズと、Citrix ICA用のXenithシリーズ)。この製品ラインについては、現状ではノート型の製品は存在せず、デスクトップ型の製品に限られる。