写真1●レッドハット 代表取締役社長 廣川裕司氏
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写真2●Red Hat OpenStack
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写真3●OpenStackへの改良提供件数の割合
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写真4●レッドハット 常務執行役員 製品・ソリューション事業統括本部長の纐纈昌嗣氏
写真4●レッドハット 常務執行役員 製品・ソリューション事業統括本部長の纐纈昌嗣氏
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写真5●Red Hat Enterprise Linux OpenStack PlatformとRed Hat Cloud Infrastructureの価格
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 「オープンハイブリッドクラウドを国内で提供開始する」(レッドハット 代表取締役社長 廣川裕司氏)---。レッドハットは2013年7月23日、2つのOpenStack製品の日本国内での提供を開始した。「Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platform」と「Red Hat Cloud Infrastructure」を、国内のデータセンター事業者やユーザー企業などに向け提供する。

 ハイブリッドクラウドとは、オンプレミスとクラウドを組み合わせ、負荷などに応じてアプリケーションが両者の間を自由に移動できる形態。それをオープンソースで実現したのが同社の言うオープンハイブリッドクラウドだ(関連記事:Red HatがOpenStackクラウド基盤を発表、「OSSがゲームのルールを変える」)。

 Red Hat Entrprise Linux OpenStack Platformは、OpenStackと「Red Hat Enterprise Linux Server」で構成される。Red Hat Enterprise Linux ServerをOpenStackを向けに最適化しており、OpenStackを使用したクラウド構築のための製品と位置付けられる。

 Red Hat Cloud InfrastructureはOpenStack、Red Hat Enterprise Linux Serverに加え、仮想化プラットフォーム「Red Hat Enterprise Virtualization」、ハイブリッドクラウド管理フレームワーク「Red Hat CloudForms」で構成。従来型のデータセンター仮想化から、OpenStackを使用したクラウドへの移行を実現する製品として位置付けられている。

 OpenStackは、大手データセンターの米RackspaceとNASA(米航空宇宙局)が開発したソフトウエアをベースにしたクラウド管理フレームワーク。現在は、米Cisco Systemsや米Hewlett-Packard、米IBMなどが参加する非営利団体OpenStack Foundationのもとで開発されている。米Red HatもOpenStack Foundationの設立メンバーであり、最新版のGrizzlyでは、企業としてトップの件数の改良を行なっている(関連記事:「OpenStackでコンピュータ、ストレージ、ネットワークを統合」、Red Hat CTOが強調)。「多くの企業や個人開発者が開発してオープンに開発されている姿は、Linuxを彷彿とさせる」(レッドハット、常務執行役員、製品・ソリューション事業統括本部長の纐纈昌嗣氏)。

 価格は、Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platformが2CPUソケットサーバー10台(Compute Nodeが5台、コントローラやストレージで5台)の場合で、スタンダードが年間約363万9000円、プレミアムが約474万4000円。Red Hat Cloud Infrastructureが2CPUソケットサーバー10台で、Red Hat Enterprise Linux無制限ゲスト込みの場合で、スタンダードが約597万9000円、プレミアムが約777万9000円。スタンダードは月~金の午前9時から午後5時まで電話およびWebサイトによるサポートが提供される。プレミアムは週7日24時間の電話およびWebサイトによるサポートとなる。

 当面はパートーナーを介してではなく、レッドハットが直接提供する。「OpenStackを一緒に育てていただける企業に提供したい」(纐纈氏)として、実績を作り信頼性を向上させていく方針だ。