写真1●米Red Hat 製品・テクノロジ担当上級副社長/社長 Paul Cormier氏
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写真2●Red Hat Entrprise Linux OpenStack Platform
写真2●Red Hat Entrprise Linux OpenStack Platform
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写真3●Red Hat Enterprise Virtualization 3.2
写真3●Red Hat Enterprise Virtualization 3.2
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写真4●Red Hat OpenStack Certification
写真4●Red Hat OpenStack Certification
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写真5●Red Hat Cloud Infrastructureの価格イメージ
写真5●Red Hat Cloud Infrastructureの価格イメージ
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写真6●OpenShift Online
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写真7●Red Hatの製品はすべてオープンソースソフトウエアとして公開されておりコミュニティ版がオープンな場で開発されている
写真7●Red Hatの製品はすべてオープンソースソフトウエアとして公開されておりコミュニティ版がオープンな場で開発されている
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 「我々は今日、“ゲームを変える製品”を発表する」(米Red Hat 製品・テクノロジ担当上級副社長/社長 Paul Cormier氏、写真1)---Red Hatは2013年6月12日(現地時間)、米国ボストンで開催したイベント「Red Hat Summit 2013」(関連記事1関連記事2)の基調講演でOpenStackクラウド基盤「Red Hat Entrprise Linux OpenStack Platform」(写真2)と「Red Hat Cloud Infrastructure」を発表した。

 Red Hat Entrprise Linux OpenStack Platformは、OpenStackのエンタープライズ向けディストリビューションである「Red Hat OpenStack」と「Red Hat Enterprise Linux Server」で構成される。OpenStackをRed Hat Enterprise Linux Server向けに最適化している。

 Red Hat Cloud Infrastructureは仮想化プラットフォーム「Red Hat Enterprise Virtualization」、ハイブリッドクラウド管理フレームワーク「Red Hat CloudForms」、Red Hat OpenStack、Red Hat Enterprise Linux Serverで構成される。Red Hat Enterprise Virtualizationはストレージのライブマイグレーションなどが可能になった新バージョン3.2を発表した(写真3

 Red Hat Enterprise Linux OpenStack PlatformとRed Hat Cloud Infrastructureはいずれも7月に提供を開始する。ハードウエアやアプリケーションの認定制度である「Red Hat OpenStack Certification」も開始する(写真4)。サーバー向けテストツールの提供も同日開始。ストレージとネットワーク機器向けのテストツールを8月に提供する。「Red Hat Enterprise Linuxの認定サーバーは4000以上、認定アプリケーションは1万3000以上。このエコシステムをOpenStackに拡大していく」(Cormier氏)。

 価格については数字は明示しなかったが「競合製品に対して大幅に低コストで提供する」(Cormier氏)とする(写真5)。「すべてオープンソースソフトウエアで構成されており、ユーザーをロックインしない。Red Hatがエンタープライズが培ってきた信頼性やスケーラビリティをクラウドでも利用できる。そして競争力のある価格で提供する。“ゲームを変える製品”だ」とCormier氏は主張する。

 またPaaSのフルサポート版「OpenShift Online」(写真6)も北米と欧州向けに開始した。OpenShiftはJava、Ruby、PHP、Python、JavaScript(Node.js)、Perlのアプリケーションを実行できるPaaS。Amazon EC2の上でRed Hatが開発しオープンソースソフトウエアとして公開しているPaaS基盤を動作させている。開発者向けに無料のベータ提供を行ってきたが、有償版の提供を正式に開始した。利用料金は1カ月20ドルから。北米と欧州以外の地域でも順次提供していくとしている。

 Cormier氏は「オープンソースはすべてのゲームのルールを変えてきた」とOSSの優位性を強調した。「ソースコードが見えることだけがOSSの価値ではない。オープンな開発が真の価値だ。Red HatはJBoss、Glusterなどこれまで何社ものオープンソース企業を買収してきたが、強力なコミュティがカギだった(写真7)。オープンイノベーションこそがITの未来だ」。