写真●米Brocade Communications SystemsでCEOを務めるLloyd Carney(ロイド・カーニー)氏
写真●米Brocade Communications SystemsでCEOを務めるLloyd Carney(ロイド・カーニー)氏
[画像のクリックで拡大表示]

 ブロケードコミュニケーションズシステムズは2013年7月12日、1月に米Brocade Communications SystemsのCEOに就任したLloyd Carney(ロイド・カーニー)氏(写真)の来日会見を開いた。プレゼンではあらためて「仮想化/クラウドによって複雑化するネットワークの運用コストをいかに削減するかが鍵になる」というメッセージを発信。コスト削減の解として、同社の主軸技術であるイーサネットファブリックを挙げた。

 Carney氏はまず、米Forrester Researchの調査結果から、ネットワークに関する費用の71%が運用管理に割かれているというユーザーの現状を提示。「この構成比を逆転させなければならない。新たな取り組みやプロジェクトに8割の費用をかけるのが理想だ」(Carney氏)と強調した。

 現状の仮想化/クラウド環境の下では、ネットワークを仮想サーバーに合わせて動的に再構築/再設定する負荷が高まっているほか、トラフィックの構造も東西トラフィック(仮想サーバー同士の横の通信)が主体になるなど、変化してきている。こうしたなか、ネットワークの運用管理コストを削減する手段の代表格として同社が位置付ける技術が、イーサネットファブリックである。

 同社のスイッチ機器「Brocade VDX」が、同社がVCS(Virtual Cluster Switching)と呼ぶイーサネットファブリック技術を搭載している(関連記事:ブロケード、VMware環境のネット設定を自動化したスイッチ新版)。こうした技術の効果についてCarney氏は、「初期導入コストを20%削減し、運用管理コストを50~80%削減し、50万ドルの初期投資に対して5年間で120万ドルを削減できる」と説明する。

電源ON、識別ID、ケーブル接続、の3ステップで導入が完了

 Carney氏はさらに、競合の1社である米Cisco Systemsと初期導入コストを比較した例を提示した。10GbE×200ポートのネットワークを構築した場合、同社のイーサネットファブリック技術(VCS)を使うと25万ドル、同社の古典的なスイッチなら48万ドルかかる。これに対して、米Cisco Systemsの場合、仮想化基盤向けのCisco Nuxus 7000で60万ドル、古典的なスイッチのCisco C6K E-Series(54ポート)で80万ドルかかるとした。

 VCSの初期導入の容易さについては「3個のコマンドラインで完了する」と説明。VCSでは、(1)「スイッチ機器の電源を入れる」、(2)「ID番号を設定する」、(3)「ケーブルをつなぐ」、の三つの設定だけで導入が済むという。

 なお、同社ではSDN(ソフトウエアによるネットワーク設計)への取り組みを推進しており、仮想アプライアンス型で実装したルーター機器や負荷分散装置などを提供している(関連記事:ブロケード、ルーターや負荷分散装置の仮想アプライアンス製品を一挙に発表)。さらに、これらをクラウド運用ソフト(OpenStack)から制御するためのプラグインも提供している。