写真●ブロケードコミュニケーションズシステムズ執行役員SDNビジネス開発本部の尾方一成氏
写真●ブロケードコミュニケーションズシステムズ執行役員SDNビジネス開発本部の尾方一成氏
[画像のクリックで拡大表示]

 ブロケードコミュニケーションズシステムズは2013年5月22日、ブレードサーバーやサーバーラックを仮想的なデータセンターとして運用できるようにする仮想ネットワーク製品群をまとめて発表した(写真)。仮想アプライアンス型のルーター機器や負荷分散装置、さらに、ネットワーク機器をクラウド運用ソフトから制御するための連携ソフト、---などである。

 仮想ネットワーク製品の一つは、仮想アプライアンス型のルーター機器「Brocade Vyatta vRouter」。ファイアウォール(アクセス制御)機能とVPN機能を持つルーター機器として運用できる。特徴は、スループットなどの性能を高めるために、個々のハイパーバイザー(サーバー仮想化ソフト)に合わせて設定をチューニングしていること。

 Vyatta vRouterは、米Brocade Communications Systemsが2012年12月に買収した米VyattaのOSS(オープンソース)であり、買収前から伊藤忠テクノソリューションズが製品版(購読ライセンス版)を国内で提供している(関連記事:CTCがソフトウエアルーター「Vyatta」の販売を開始、代理店契約も締結)。CTCによる参考価格は、年額20万6400円。今回、買収後に初めてブロケード製品として発表した。次期バージョン(6.6)は2013年秋にリリースする予定。

 もう一つの仮想アプライアンス新製品は、負荷分散装置の「Brocade Virtual ADX」である。これまでBrocade ADXはハードウエア機器に限って提供してきており、仮想アプライアンスの形態で提供するのは、今回が初めて。2013年6月26日に提供開始する。価格は未定。

 なお、2013年4月23日には、Brocade Virtual ADXやBrocade ADXの負荷分散先となるサーバーリソースを動的に増減する管理ソフトの新版「Brocade ARB 2.5」も出荷済み。これにより、サーバー負荷に合わせて負荷分散先のサーバー台数を動的に追加/削除できるだけでなく、アクセス負荷を複数のADX(異なるデータセンターにあるADX)に分散できるようにした(Virtual ADXの動的立ち上げも可能)。

 また、クラウド運用ソフトのOpenStackから同社製品を制御するためのプラグインも提供する。具体的には、OpenStackから同社のL2スイッチ「Brocade VDX」(関連記事:ブロケード、VMware環境のネット設定を自動化したスイッチ新版)が備えるイーサネットファブリック技術を制御するためのプラグイン「OpenStack-VCSプラグイン」を、2013年4月14日に提供済みである。今後は、次期版のOpenStackに合わせ、Vyatta vRouterとVirtual ADXをOpenStackから制御するためのプラグイン「OpenStack-ADX&Vyattaプラグイン」を、2013年秋に提供する予定。