写真1●ブロケードコミュニケーションズシステムズでデータセンターテクノロジー部長を務める小宮崇博氏
写真1●ブロケードコミュニケーションズシステムズでデータセンターテクノロジー部長を務める小宮崇博氏
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写真2●管理GUI「Brocade Network Advisor」の画面
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写真3●Brocade DVX 6710の外観
写真3●Brocade DVX 6710の外観
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 ブロケードコミュニケーションズシステムズは2011年9月9日、複数台を束ねて論理的に1台として運用できるなどネットワーク設定を簡素化したエッジスイッチ「Brocade VDXシリーズ」の新機能を発表した。新たに、VMwareから必要な情報を自動的に収集することによって、スイッチ側でのネットワーク設定を不要とした。新機能は、2011年10月14日に提供開始する。

 VMware仮想サーバー環境のネットワーク設定を自動化した。これにより、ネットワーク設定はサーバー管理者がVMwareに対して施せばそれでよく、ネットワーク管理者によるBrocade VDXの設定作業が必要なくなった。3分に1回、Brocade VDXがVMware vCenterに接続し、サーバー管理者がvSwitch(仮想スイッチ)や仮想サーバーに施したネットワーク設定情報を収集する仕組み。

 以前から、AMPP(Automatic Migration of Port Profile)と呼ぶ機能を使って、仮想サーバーのライブマイグレーション時にポートプロファイルを追従させる運用が可能だった。ただし、前提として、全スイッチが全デバイスのMACアドレスやポートプロファイルを知っている必要があった。今回、サーバー仮想化ソフトがVMwareに限られるものの、こうした事前設定作業を不要にした。

vCenter管理上限の物理サーバー1000台をファブリックに収容

 新版ではさらに、同社がVCS(Virtual Cluster Switching)と呼ぶ、複数のレイヤー2スイッチを任意の物理トポロジで束ねて論理的に1台のレイヤー2スイッチとして扱えるようにするイーサネットファブリック機能を強化した。具体的には、VCSを構成するBrocade VDXの台数を、既存の12台から24台へと倍増させた。これにより、10Gビット/秒×60ポートのモデルでは、1000台を超える物理サーバーを収容できる計算だ。

 「1000台を収容できることには意味がある。一つのVMware vCenterで管理できる上限が、物理サーバー1000台、仮想サーバー1万台だからだ。一つのVCSでvCenterの管理領域を丸々収容できる」(ブロケードコミュニケーションズシステムズでデータセンターテクノロジー部長を務める小宮崇博氏、写真1)。ロードマップ上は、100台までファブリックに参加できる。

 新版では、運用管理機能も強化した。これまではCLI(コマンドラインインタフェース)で管理する必要があったが、新たに、NETCONFを使った管理を可能にしたほか、管理GUI「Brocade Network Advisor」を追加した(写真2)。

GbE×48のエントリー機種と、FC搭載の上位機種を追加

 新機能に合わせて、新機種2製品も、10月14日に販売/出荷する。2011年1月に出荷した既存機種「Brocade VDX 6720」(参考価格は1万700ドルから)は、10Gビット/秒のポートを16~60ポート備える機種だった。今回、Brocade VDX 6720に対して、下位機種と上位機種を追加した。

 (1)下位機種「Brocade DVX 6710」(参考価格は9500ドルから)は、10Gビット/秒のポートの代わりに、搭載ポートを1Gビット/秒(48ポート)とした機種である(写真3)。より小規模なサーバー仮想化環境を収容するのに適する。(2)上位機種「Brocade VDX 6730」(参考価格は1万720ドルから)は、10Gビット/秒のポートに加えて、FC(Fibre Channel)ポートを8~16基搭載する。