写真1●レッドハット 代表取締役社長 廣川裕司氏
写真1●レッドハット 代表取締役社長 廣川裕司氏
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●米Red Hatの業績
写真2●米Red Hatの業績
[画像のクリックで拡大表示]
写真3●OpenStackへのRed Hatの貢献
写真3●OpenStackへのRed Hatの貢献
[画像のクリックで拡大表示]

 レッドハットは2013年4月24日、2014年度(2013年3月~2014年2月)の日本法人の事業方針と戦略を発表した。レッドハット 代表取締役社長 廣川裕司氏(写真1)は「Linux市場の2倍、20%成長を目指す」と重点市場と目標を語った。

 米Red Hatの業績はきわめて堅調だ。2013年度(2012年3月~2013年2月)の売上高は前年度比17%増。11年間、44四半期連続して売上増が続いている(写真2)。「2013年度はメッセージングソフトの米FuseSource、ビジネスプログセス管理ツールの米Polymita、クラウド管理ツールの米ManageIQを買収し、従業員数も約4000人から約5500人へと増えた投資の年だったが、利益も成長できた」(廣川氏)。日本法人のみの売り上げは公表していないが、円ベースではRed Hat全体の成長率を上回ったという。

 Red Hatが今年度に注力しようとしているのが、「オープンハイブリッド・クラウド」「ビッグデータ」「OpenStack」だ。オープンソースソフトウエア(OSS)によるハイブリッド・クラウドClodForms、OSS分散ストレージソフトGlusterをベースにしたRed Hat Strageによる低コストストレージ(関連記事)、そしてOepnStackディストリビューション「Red Hat OpenStack」である(関連記事)。Red Hatは現在、猛烈な勢いでOpenStackを改良し、コミュ二ティに還元している。OpenStackの最新版であるGrizzlyでは、改良の提供数でRed Hatが企業として1位(写真3)。個人の1位もRed Hatに所属する技術者。個人貢献者トップ10人のうち、6人がRed Hatの技術者だという。

 2014年度の日本法人の目標として廣川氏は、「Linux市場の2倍、20%成長を目指す」と語る。今後5年間で倍増が目標だ。「2008年に5年で2倍にする計画を立てたが、2.3倍を達成できた」(廣川氏)。

 Linux市場でシェアトップの同社が市場以上に成長するためのカギが、同社が「Beyond Linux」と呼ぶ、クラウド、JBossなどLinux以外のソフトウエアや、ストレージである。Linux以外の事業規模は現在Red Hat全体の15%程度だが、「成長率はLinuxより1ケタ上」(レッドハット 常務執行役員 製品・ソリューション事業統括本部長の纐纈昌嗣氏)。

 市場拡大のためレッドハットの営業担当者を20%増員する。また、パートナーの技術者を3年で1万人増やす。3年間で、日立グループでは1000人、NECグループでは1000人といった技術者育成を計画しているという。