日立ソリューションズは2013年4月17日、ソフトウエアの開発工程における各種のテスト作業を支援するツール群「anyWarp TestSuite」（4製品）の新版を発表した。4月18日に販売を開始する。新版では、Web負荷テストにおいてテストシナリオ/データを自動生成するオプションを追加するなど、4製品それぞれを強化した。
提供するのは以下の4種の新版ソフト。（1）Web負荷テストツール「Assam WebBench」（関連記事）、（2）Javaコーディング規約の違反を検出するツール「anyWarp CodeDirector」（関連記事）、（3）回帰テストツール「anyWarp Capture/Replay」（関連記事）、（4）テスト時の画面の変化をキャプチャー保存するツール「anyWarp Capture/Replay Assist」。
Web負荷テストを支援するサンプル集とテストデータを新たに用意
（1）のAssam WebBenchは、Webブラウザーの使用を模倣した仮想ユーザーからWebアプリケーションに対して機械的にHTTPリクエストの負荷をかけ、アクセス負荷を段階的に増やしながらレスポンス（応答時間）の変化を計測する。計測したデータは、性能のチューニングやサーバー構成の設計に役立つ。
エディションは「Standard Edition」と上位の「Enterprise Edition」。上位エディションでは、（a）GUIではなくコマンドラインで負荷テストを実行する機能、（b）アプリケーションサーバーのパラメータを自動的に変更しながら負荷テストを繰り返すチューニング支援機能、（c）IntroscopeなどのJava性能監視ソフトとの連携機能、を利用できる。
仮想ユーザーの振る舞いは、スクリプトファイルとして記録/編集できる。スクリプトの作成を支援する機能としては、Webブラウザー操作を記録するシーケンサー機能や、HTTPパケットをキャプチャーしてHTTPリクエスト列を抽出/記録するHTTPモニター機能を提供する。
今回の新版では、テストを支援するオプションとして、「サンプルWebアプリケーション」、「サンプルシナリオ」、「テストデータ生成ツール」、「利用ガイド」で構成する「Assam WebBench導入オプションV1.0」を追加した。
Assam WebBenchの価格（税込み、以下同）は、Standard Editionが1ライセンス当たり157万5000円、 Enterprise Editionが1ライセンス当たり262万5000円。オプションのAssam WebBench導入オプションV1.0はオープンプライスだが、参考価格は10万円から。
コーディング規約違反の検出はJava EE6対応に
（2）のanyWarp CodeDirectorは、Javaソースコードの品質検査ソフト。ソースコードのコーディング規約違反を自動的に検出することによって、人手によるレビュー工程（文書やソースなどの成果物を他人に見せることで完成度を高める作業）にかかるコストを削減する。
anyWarp CodeDirector自身が自動診断機能を備えており、バージョン管理システム（ソフトウエア構成管理ソフト）からソースコードを抽出して診断し、診断結果をWebレポートとして生成する。開発者が、Eclipse上でソースコードを診断するためのEclipseプラグインも用意する。
今回の新版では、企業向けJava規格の最新版であるJava EE 6のソースコードを検査できるようになった。また、ステップ数（行数）の予実績管理機能を追加。これにより、コーディングの進ちょく状況をモジュール単位で把握できるようになった。価格は10ユーザー105万円から。
（3）のanyWarp Capture/Replayは回帰テストツール。回帰テストとは、機能強化などによってアプリケーションに修正/変更を加えた際に、修正/変更前に動作していた機能が正しく動作するかどうかを検証するテストを指す。画面の回帰テストについては、座標位置を利用したテストだけでなく、ボタンなどのオブジェクト単位でテストできる。新版は最新OS（Windows Server 2008 R2）でも動作する。価格は1ライセンス31万5000円。
（4）のanyWarp Capture/Replay Assistは、（3）のanyWarp Capture/Replayと組み合わせて使えるのに加えて、単独でも使用可能なテスト支援ツール。具体的には、回帰テストなどのテスト時に画面の変化を画像としてキャプチャー保存する。新版は最新OS（Windows 7/8、Windows Server 2008 R2/2012）でも動作する。価格は月額制で、10ライセンス8万9250円から。
