アクシスソフトと日立ソリューションズは2011年8月8日、リッチクライアントの回帰テストを目的に、それぞれが扱う製品同士を連携できるようにした強化版を販売開始する。アクシスソフトがリッチクライアント製品「Biz/Browser XE」の強化版を、日立ソリューションズが回帰テストツール「anyWarp Capture/Replay」の強化版を販売する。

 回帰テストとは、機能強化などによってアプリケーションに修正・変更を加えた際に、修正・変更前に動作していた機能が正しく動作するかどうかを検証するテストを指す。今回、回帰テストツールであるanyWarp Capture/Replayを使って、Biz/Browser XEで開発したアプリケーションの回帰テストを実行できるようにした。

 このための仕掛けとして、2社がそれぞれ販売する2製品を、互いに連携するように機能強化した。具体的には、利用頻度が高いBiz/Browser XEのUI(ユーザーインタフェース)部品として、表形式リストの階層表示や階層の開閉が可能な「FlexView」画面を、座標位置ではなくオブジェクト単位で操作できるようにした。

 anyWarp Capture/Replayを用いた画面の回帰テストでは、座標位置を利用した再現テストに加えて、ボタンなどのオブジェクト単位で操作が可能。これにより、画面解像度が変更になったり、画面のデザイン/配置が変わったりしても、同一のテストを再利用できる。ただし、オブジェクト単位で操作するためには、あらかじめUI部品のインタフェース仕様が分かっている必要がある。このため今回、Biz/Browser XEを外部から操作する仕様を取得し、製品に取り込んだ。

 なお、前提となるBiz/Browser XEは、WebシステムでありながらVisual BasicやExcelで開発したアプリケーションのようなリッチな操作性を実現する、リッチクライアント開発・実行環境である。画面と業務ロジックを記述した独自のスクリプトファイルをHTTPでやり取りする仕組み。Webブラウザ(HTML+JavaScript)よりも表現力と操作性が高い画面と帳票を実現する。

 今回連携したバージョン「Biz/Browser XE」は旧版であり、現行版は2011年5月に出荷した「Biz/Browser V」である。2011年秋以降に、現行版のBiz/Browser VとanyWarp Capture/Replayを連携できるようにする予定だ。