米Microsoftが2012年10月30日(現地時間)から開催している開発者向けカンファレンス「BUILD 2012」で、初日のキーノート後半に登場したのがWindows Phoneのプログラム管理ディレクターを務めるKevin Gallo氏だ(写真1)。Gallo氏は前日に正式発表されたWindows Phone 8の開発環境について、カンファレンスに参加した開発者に説明した(関連記事)。
Gallo氏は、まず昨日明らかになったWindows Phone 8の新機能について簡単に振り返った。子ども向けに、あらかじめ許可したアプリケーションしか操作できないようにする「Kid's Corner」は、「子どもがいない人はゲストモードみたいなものと思えばいい」(Gallo氏)と、多くの人に役立つ機能だとした。次に、友達同士でグループを作れる「Rooms」の機能を紹介した。
そのうえでGallo氏は、このWindows Phone 8向けの開発環境である「Windows Phone 8 Developer Platform」について、同日から提供を開始したことを発表した(関連記事)。この中には、Windows Phone 8 SDK以外に、Visual Studio Express 2012、Expression Blend 5、それにWindows Phone 8端末エミュレータが含まれているという。
Gallo氏は「Windows 8とWindows Phone 8は同じプラットフォームを使っており、同時に開発できる」と語った。具体的には、コア部分を共用するだけでなく、その上のAPIセットやコンポーネントについてもWindows Phone 8はWindows 8と共用しているという(写真2)。これにより、Express EditionではないVisual Studioを使っていれば、Windows 8とWindows Phone 8のアプリを同時に同じソリューションで開発できるとする。
開発者から寄せられた要望の90%に応えた
Gallo氏は、「Windows Phone 8 SDKではトップ開発者から寄せられた要望のうちの90%を取り入れた」と語る。具体的には、C++によるネイティブコード開発、ライブタイル/ロックスクリーン/壁紙のカスタマイズ、スピーチAPI、Walletやカメラの強化(写真3)、Bluetoothによるデータ交換やWi-Fiによるピアツーピア接続、NFCによる近距離通信(写真4)などに対応したという。
キーノートの最後に、Nokiaの開発者担当副社長であるRichard Kerris氏がステージに登場(写真5)。会場に「開発用のデバイスがないと困るでしょう」と呼びかけ、未発売のWindows Phone 8端末「Nokia Lumia 920」を参加者全員に配布すると告げると、会場はこの日一番の盛り上がりに包まれた。