写真1●米シーメンスPLMソフトウェアの島田太郎・日本法人社長(左)とトニー・アフーソ会長
写真1●米シーメンスPLMソフトウェアの島田太郎・日本法人社長(左)とトニー・アフーソ会長
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●シーメンスPLMソフトウェアが記者会見で紹介した開発中の「Active WorkSpace」画面
写真2●シーメンスPLMソフトウェアが記者会見で紹介した開発中の「Active WorkSpace」画面
[画像のクリックで拡大表示]

 製造業向けのPLM(製品ライフサイクル管理)やCAD(コンピュータによる設計)分野の大手ソフトウエアベンダーである米シーメンスPLMソフトウェア(関連記事)は2012年7月19日、東京都港区で開催したセミナー「Siemens PLM Connection Japan 2012」に合わせて記者会見を開いた。同社のトニー・アフーソ会長(写真1右)は「世界各地にいる技術者が同時に画面を見ながら共同作業を進めたり、部品番号や文字情報・形状など様々な手がかりで検索したりできる環境を早期に提供し、顧客企業の素早い意思決定を支援したい」と話した。

 アフーソ会長は、この環境を具現化するための新ソフトウエア「Active WorkSpace」(写真2)を2011年後半から複数の顧客企業で試験運用していると説明した。2013年以降の本格販売を目指し、機能の改良を続けているという。

 同社日本法人の島田太郎代表取締役社長(写真1左)は「日本の製造業では、形状を確認しながら物の設計を進めるスピードは、これ以上ないぐらい速くなった。一方で、メカや電気・電子部品、ソフトなどを組み合わせる意思決定をするところに時間がかかるケースが多く、これが最終的な製品の提供タイミングの差に直結している」と指摘した。

 シーメンスPLMソフトウェアは複数の製造業向けソフトウエア企業が合併して成立した業界大手で、2007年に独シーメンスのグループ企業になった(関連記事)。アフーソ会長は「我々はシーメンスの膨大な発明や特許を利用し、顧客企業に提供するPLMソフトの品質向上に生かせる」と話し、産業機械や医療機器を幅広く手がけるシーメンスグループの一員である優位性を強調した。

 シーメンスPLMソフトウェアの顧客企業数は全世界で約7万社。2011年度(2011年9月期)には、新規顧客として米ボーイングやP&G、仏ロレアルなどの世界大手の製造業が加わった。この日のセミナーでは、日産自動車や日野自動車など日本の顧客企業も事例講演を行った。