モバイルアプリケーション共通化団体のWholesale Applications Community(WAC)は2010年7月27日(現地時間)、WACを法人化するとともに、モバイルウィジェット共通化団体のJoint Innovation Lab(JIL)と合併すると発表した。合併後の新WACの役員にはNTTドコモとソフトバンクモバイルも名を連ねる。

 WACは、通信業界団体GSMAと、米AT&T、インドBharti Airtel、中国China Mobile(中国移動)、ドイツDeutsche Telekom、NTTドコモ、ソフトバンクモバイル、米Sprint Nextel、米Verizon Wireless、英Vodafone、韓国LG Electronics、韓国Samsung Electronics、Sony Ericsson Mobile Communicationsなど27社のモバイル通信事業者および携帯電話機メーカーが2010年2月に設立した団体。モバイル向けアプリケーションの共通配信基盤構築と、アプリケーション共通仕様の策定を進めている(関連記事)。

 JILは、ソフトバンクモバイルと中国移動,Vodafoneが2008年8月に設立した。2009年4月にはVerizon Wirelessも参加している。ウィジェットの共通規格の策定やSDK(software development kit)の開発,ウィジェットの登録や課金システムの開発を行っている(関連記事)。

 合併は2010年9月までに完了する予定。Vodafone Europe Region CEOのMichel Combes氏が会長、France Telecom Deputy CEOのJean-Philippe Vanot氏が副会長に就任する。そのほかGSMA、AT&T、中国移動、Deutsche Telekom、Verizon Wirelessなど計16社から役員(ボードメンバー)が選出されており、NTTドコモ 執行役員の永田清人氏、ソフトバンクモバイル 副社長の松本徹三氏も役員に就任する。

 WACが策定する共通仕様SDKは、2010年11月に公開する予定。仕様はJavaScript、HTML、CSS、Web APIにより構成され、W3Cの標準に基づくという。これに先立ち、2010年9月には、開発ロードマップの詳細とWACの仕様のプレビューを開示する。

 WACが開発する共通アプリケーション配信基盤では「通信事業者が、それぞれのアプリケーションストアを介してアプリケーションを配布し、課金できるようになる」(WAC)。開発者との収益配分は、通信事業者が決定できるようにする方針。WACは「運用コストをまかなうための小額の手数料を受け取る」(WAC)という。また将来的には、アプリケーション内課金や、位置情報の利用、広告基盤などを提供するとしている。

[発表資料]