モバイル機器向けセキュリティサービスを手がける中国のNetQin Mobileは現地時間2010年7月5日、フィンランドNokiaのモバイルOS「S60」搭載スマートフォンを狙ったマルウエアが広まっているとして注意を呼びかけた。モバイルゲームを装ったり、南アフリカで開催中のFIFAワールドカップ(W杯)の話題に便乗したりして感染を図る。NetQin Mobileは、既に10万台の端末が被害に遭ったとしている。

 NetQin Mobileが確認したマルウエアは、「ShadowSrv.A」「FC.Downsis.A」「BIT.N」「MapPlug.A」の4種類。モバイルゲームに潜んでS60バージョン3/5端末に侵入する。感染した端末は遠隔制御可能な状態にされ、ボットネットへ取り込まれる。

 これらマルウエアは、端末のアドレス帳に登録されたすべてのあて先やランダムなあて先へ勝手にメッセージを送る。メッセージにはW杯の無料ビデオやテレビ番組などに関する情報を記載し、受信者を悪質なWebサイトへ誘導する。送信済みメッセージや送信ログは端末から削除し、勝手に送信したことをユーザーに気付かれないようにしている。

 なお、日本国内でもW杯の話題に便乗した別のオンライン詐欺が確認されている(関連記事:「ワールドカップを無料配信中!」――アクセスしたらワンクリ詐欺)。これまでも、オリンピックやさまざまな災害、記念日などを悪用するマルウエアが存在した(関連記事:ボットネット「Waledac」が米独立記念日に向けスパム準備中「Waledac」ウイルスが急増中,あの手この手でユーザーをだます)。

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