米下院議員Joe Barton氏をはじめとする共和党議員は米国時間2010年5月28日、米連邦通信委員会 (FCC) のネット中立性規制に対する意見書を送ったことを明らかにした。ブロードバンドサービスに従来の通信サービスと同様の通信法を適用しないよう求めている。

 「全米ブロードバンド計画(National Broadband Plan)」を進めているFCCは、ネット中立性に関する規制を目的として、インターネットのサービスプロバイダーを携帯電話や固定電話の通信事業者と同様のカテゴリーに分類して通信法を適用しようと考えている。

 171人の共和党議員が署名した同意見書(PDF文書)では、「FCCは多くの事例で、ブロードバンドは通信サービスではなく、一般的な通信事業者の規則が及ばない情報サービスだとの結論を下した」と指摘。また、ブロードバンドを通信法の「Title II」に再分類して取り締まることは、ブロードバンド投資の削減、景気刺激の減退、雇用の減少など、厳しい事態を招きかねないと批判した。

 インターネットの規制に取り組むFCCだが、今年4月にも、米連邦巡回区控訴裁判所がFCCの権限を否定する判決を下している。FCCは2008年8月、米ComcastがPtoPサービス「BitTorrent」などを利用するユーザーのアクセスを妨害し、ネットの中立性に関する原則に違反したとして、Comcastに妨害行為の禁止とコンプライアンス計画の提出を命じた(関連記事:FCC,ComcastのPtoPアクセス遮断を「不正」と判断)。しかし控訴裁判所は「FCCの裁決は権限の範囲を超えていた」としてこれを差し戻した(関連記事:ComcastのBitTorrentアクセス妨害問題、控訴裁判がFCCの裁決を差し戻し)。

[発表資料へ]