米Mozillaの最高経営責任者(CEO)であるJohn Lilly氏は現地時間2010年5月11日、年内にMozillaを退社する意向を自身のブログで明らかにした。退社後は、ベンチャーキャピタルの米Greylock Partnersにベンチャーパートナーとして入社する。

 Lilly氏は後継者が見つかるまでCEOの任務を継続し、辞任後も同社取締役会に留まる。Mozilla従業員にはすでに告知している。

Mozilla社内に送った書簡の中で同氏は、「Mozillaはもともと、ちょっとしたボランティア参加のつもりだった。だが、すぐにフルタイムの仕事になってしまった。新興会社と仕事がしたいという気持ちが常にあり、有望なベンチャーへの投資と構築を学びたいと考えている。CEO交代を果たしたあとは、Greylock Partnersに加わるつもりだ」と述べた。

 当面は、Mozillaを最強の体制にすることを最優先とし、新CEOの人材探しを進める。人選には数カ月かかる見通しで、その間Lilly氏は、これまで通りCEOとしての業務を遂行する。

 Lilly氏は、2005年に事業開発担当バイスプレジデントとしてMozillaに入社した。2006年よりCOO(最高執行責任者)を務め、2008年にMitchell Baker氏からCEO職を引き継いだ(関連記事:MozillaがCEO交代,COOのLilly氏が昇格)。

 Mozillaに入る前は、米Apple、米Sun Microsystems、米Trilogy Softwareに在籍し、ソフトウエア会社の米Reactivityを創設した。Reactivityは2007年に米Cisco Systemsが買収している(関連記事:Cisco,XMLゲートウエイのReactivityを約1億3500万ドルで買収へ)。

[Lilly氏のブログ]