米Microsoftは現地時間2010年4月7日、高性能コンピューティング(HPC)市場向けサーバーの次期版「Windows HPC Server 2008 R2」のベータ2版を公開した。Webサイトでダウンロード提供している。正式版は2010年後半にリリースする計画だ。

 Microsoftは2009年11月に、Windows HPC Server 2008 R2のベータ1版を公開し、フィードバックを参考に改良を加えてきた。例えば、表計算ソフトウエア「Excel」とWindows HPC Serverを組み合わせたいという科学者や技術者などの要望に対しては、2010年半ばリリース予定の「Excel 2010」向けツール「HPC Services for Excel 2010」を用意する(関連記事:米Microsoft、「Office 2010」の小売価格を発表)。Microsoftによると、インドWiproや米Infusion、米Grid Dynamics Consulting Servicesなどが同ツール向けサービス/製品を提供する。

 HPC管理技術を持つ米Adaptive Computing Enterprises、米Clustercorp、カナダPlatform Computingといった企業の協力を得て、Windows HPC Server 2008 R2とLinuxを併用できる環境も構築する。そこでは、デュアルブートや動的なクラスタ運用などを可能にするという。

 開発環境は、2010年4月第3週に販売を始める「Visual Studio 2010」が利用できる(関連記事:「Visual Studio 2010」の発売を数週間延期、パフォーマンス問題を解決へ)。開発者は使い慣れたツールでHPCアプリケーションを作成したり、デバッグ/トレースしたりできる。

 MicrosoftはWindows HPC Server 2008 R2の拡張性向上にも取り組んでおり、社内の研究施設では常時1000ノード構成のクラスタを使って試験している。

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