米Microsoftは米国時間2010年1月8日、カナダのi4iが同社を相手取って起こした特許侵害訴訟を巡り、米連邦巡回控訴裁判所に再審理の要請書を提出した。同訴訟では昨年、Microsoftの特許侵害を認める判決が下されている。

 i4iは、自社のXML関連特許をMicrosoftの「Word」に侵害されたとして2007年3月に米テキサス州の米連邦地方裁判所にMicrosoftを提訴した。同地裁の陪審団は2009年5月20日、Microsoftが故意に特許を侵害したと認定し、2億ドルの支払いを命令。また同地裁判事は8月11日、Wordの販売差し止め判決を下し、賠償額を9000万ドル追加した(関連記事:Microsoftに裁判所がWordの販売差し止め命令,XMLに関する特許侵害で)。Microsoftはこの判決を不服として控訴したが、巡回控訴裁は12月22日、地裁の判断を支持する判決を下した(関連記事:控訴審でも「Word」販売差し止め判決、Microsoftは該当機能の削除で対応)。

 対象となるのは「Word 2007」および「Office 2007」。差し止め命令の適用は2010年1月11日以降とされ、Microsoftは、それまでに問題の「カスタムXML」機能を米国向けWordから取り除くとしていた。なお、「Word 2010」と「Office 2010」には同機能は含まれない。

 i4i会長のLoudon Owen氏は、今回のMicrosoftの再審理請求を想定内のことだとして「当社は勝訴する自信がある」とコメントした。

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