米Sun Microsystems買収計画を巡って欧州連合(EU)の欧州委員会(EC)による調査を受けている米Oracleは米国時間2009年12月14日,Sunのオープンソース・データベース「MySQL」に関する買収後の取り組みについて発表した。

 ECが同買収計画による欧州データベース市場への悪影響に特に懸念を抱いていることから,MySQLの競争力を維持する意向を明確に示し,ECの懸念を払拭するのが狙い。

 両者は「建設的な話し合いを行った」とし,ECは「MySQLの顧客,開発者,ユーザーに向けたOracleの約束は今後の調査で考慮される」とのコメントを発表。EC欧州競争委員のNeelie Kroes氏は,納得のいく結果を得られるだろうとの見解をあらためて示した。

 Oracleが掲げた取り組みには,目的に応じたストレージ・エンジンを実装可能にする「Storage Engine API」を継続すること,同APIに対応したストレージ・エンジンのベンダーに対して商用ライセンスの取得を要請しないこと,すでにSunとOEM契約を結んでいるベンダーに対して2014年12月までライセンスを供与すること,Sunの直近の年間研究開発費2400万ドル以上の資金を3年間投じることなど10項目に及ぶ。

 ECは最終判断を2010年1月27日に下す予定。同買収計画は,すでに8月に米司法省の承認を得ているが(関連記事:OracleのSun買収計画,米司法省が承認,ECの判断待ちへ),ECは9月3日,より詳細な調査に乗り出すことを決定した(関連記事:OracleのSun買収計画,ECが詳細な調査へ,最終判断は来年1月)。ECの判断が遅れていることに対し,「米国民数千人の雇用が脅かされている」として,59人の米上院議員が連名で迅速な調査遂行を要請する書簡を送っている(関連記事:Oracle-Sun買収計画,ECの長引く調査に米上院議員が迅速な決定を要請)。

[発表資料(Oracle)]
[発表資料(EC)]