米Oracleによる米Sun Microsystems買収計画について調査中の欧州委員会(EC)に対して,米上院議員は迅速に調査を遂行するよう要請した。マサチューセッツ州選出のJohn Kerry民主党議員が米国時間2009年11月24日に明らかにしたもので,同氏とOrrin Hatch共和党議員(ユタ州選出)をはじめとする上院議員59人の連名で書簡を送った。

 OracleとSunが買収計画の合意を発表したのは,今年4月20日(関連記事:[速報]オラクルが74億ドルでサンを買収)。7月16日にSunの株主総会で同計画の承認を取り付け(関連記事:Sun,Oracleによる買収案を株主総会が承認),8月20日には米司法省(DOJ)が承認を発表した(関連記事:OracleのSun買収計画,米司法省が承認,ECの判断待ちへ)。しかしECは9月3日,同計画がデータベース市場の競争に深刻な疑問を起こす可能性があるとして詳細な調査に乗り出すことを決定(関連記事:OracleのSun買収計画,ECが詳細な調査へ,最終判断は来年1月)。さらに11月9日,同買収計画に反対の姿勢であることを示
す異議声明(Statement of Objections)を発行した(関連記事:欧州委員会,オラクルのサン買収に反対の姿勢を正式表明)。

 Kerry氏は,Sunの財政状況がますます危険な状況に陥る中でECが調査を継続していることについて,「ECが決定を先延ばしにしているため,米国民数千人の雇用が脅かされている。我々は,迅速な決断を求めざるを得ない」と述べた。またHatch氏は「米国外の当局が不当に検証プロセスを利用して米国企業の事業を妨害している兆候が高まっており,これに対して懸念が積もっている。同買収案はDOJが徹底的に調査した上で承認したものだ。ECが早急に調査の結論を出すことを望む」と強く要求した。

 なお,Sunは10月20日に,最大3000人の従業員を削減する計画明らかにした。買収の手続き完了が遅れていることから,戦略的な事業目的とリソースを一致させるための措置だと説明している(関連記事:Sun,全世界で最大3000人を削減へ)。

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