米IBMは米国時間2009年4月16日,28nmルールによる高誘電率絶縁膜/金属ゲート電極(HKMG:high-k/metal gate)CMOS製造プロセスの技術プラットフォームを発表した。この開発には,シンガポールChartered Semiconductor Manufacturing,米GLOBALFOUNDRIES,独Infineon Technologies,韓国Samsung Electronics,仏伊合弁STMicroelectronicsの5社も参加した。

 同プラットフォームの技術評価キットは,一部顧客への早期提供を2008年12月,一般提供を2009年3月に開始済み。リスクの伴う限定的な生産(risk production)は2010年下半期に開始する見込み。6社は現行の32nmルール対応プラットフォームを利用している顧客に対し,28nm版HKMG CMOSへの移行を支援していく。28nmへ移行すると,大きな設計変更を施すことなくLSIを高密度化/省電力化できるとしている。

 顧客の協力などで得たデータを見ると,45nmから28nmへの微細化でLSIのサイズが半分で済み,動作速度が40%向上し,消費電力は20%以上少なくなった。HKMGの採用により,面積0.120平方ミクロンという業界最小クラスのSRAMセルでも漏れ電流を抑えることが可能となり,低電圧で安定した高速動作を実現できたという。

 なお,IBMを中心とする共同開発アライアンスは,以前から32nmプロセス対応プラットフォームなどを提供している(関連記事:IBMなど7社が32nmのLSIを試作,35%高速で50%省電力に IBMなど5社,CMOS製造向け32nm共通プラットフォームの開発で協力)。

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