32nmルールによるLSI製造プロセスの共同開発に取り組んでいる米IBM,シンガポールChartered Semiconductor Manufacturing,米Freescale Semiconductor,ドイツInfineon Technologies,韓国Samsung Electronics,仏伊合弁STMicroelectronics,東芝の7社は米国時間2008年4月14日,高誘電率絶縁膜/金属ゲート電極(HKMG:high-k/metal gate)トランジスタ・ベースのLSIを試作し,少ない消費電力で高速動作することを確認できたと発表した。2008年第3四半期より量産に向けた段階的な試作作業を開始する予定。

 45nmルールで製造した同様のLSIよりも速度が最大35%速く,消費電力が30~50%少なかった。また,多結晶シリコン/酸窒化シリコンという既存材料を使って32nmルールで作ったLSIに比べ,最大40%高速化できた(関連記事:IBMなど,32nm向けhigh-k絶縁膜/金属ゲート電極の新製造手法を開発,2009年後半に導入)。

 試作LSIは,ニューヨーク州イーストフィッシュキルにあるIBMの300mmウエーハ対応工場で開発した。

 米メディア(InfoWorld)によると,IBMは32nmルール/HKMGトランジスタ製LSIの量産を2009年後半に開始する計画という。

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